プロダクトポートフォリオマネージメントの特許への応用

更新日 : 2006-05-14

ボストン・コンサルティング・グループが生み出したプロダクトポートフォリオマネージメント(PPM : Product Portfolio Management)。この概念を特許に応用すれば、パテントポートフォリオマネージメント(PPM : Patent Portfolio Management)ができるのではないでしょうか。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、ボストン・コンサルティング・グループが編み出した考え方です。複数の事業を展開しているある企業の事業の組み合わせを最適化するための考え方です。

縦軸に市場成長率、横軸に市場シェアを取ったマトリックスを作成します。各事業について市場成長率と市場における占有率をプロットしていき、各事業が

  • star(花形製品)
  • cash caw(金のなる木)
  • problem chile(問題児)
  • dog(負け犬)

の4象限のいずれに属するかを見極めて、現在の各事業の状況と今後の事業の方向性を検討するためのツールです。

これを特許に応用すれば、以下のようなマトリックスになります(ほとんど差はありませんが・・・)。

縦軸は特許件数増加率を取り、横軸は特許シェアを取ります。

例えばあるIPC(国際特許分類)に着目して、

  • 着目したIPCが付与された特許公開件数の増加率
  • 着目したIPCが付与された特許公開件数における自社の件数占有率

を取ります。これを事業ごとにプロットしていけば、企業におけるプロダクトポートフォリオの特許版であるパテントポートフォリオの完成です。

自社の事業ごとの特許群はstar特許群なのか?それともdog特許群なのか?
現在、problem chile特許群であれば、それをいかにしてstar特許群にしていくか。

プロダクトポートフォリオは市場成長率や市場シェア、つまりマーケットサイドの情報から自社のポジションを確認する、というスタンスですが、このパテントポートフォリオでは特許件数という自社の技術開発・研究開発のアクティビティにより自社のポジションを確認できる、というメリットがあります。

このパテントポートフォリオを基にして特許戦略・知財戦略を見直してみるのはいかがでしょうか?