プロダクトライフサイクルマネジメント(PLM)と特許分析

更新日 : 2006-01-08

プロダクトライフサイクルとは読んで字のごとく製品の寿命のことです。1つの商品が開発されて市場に投入されてから市場から姿を消すまでを導入期→成長期→成熟期→衰退期の4つの期間で分けて捉えます。ここではある製品が現在プロダクトライフサイクルのどの期間に位置しているのかを特許的な視点から捉えることができないかについて考えたメモを掲載しています。

常々、特許分析結果をMOTなどで学ぶ理論に適用できないか考えています。

その中の1つがプロダクトライフサイクルマネージメント(PLM)に特許分析結果を利用する方法です。

プロダクトライフサイクルとは、@IT情報マネジメント用語事典の説明を転載させていただくと、

[プロダクト・ライフサイクル product life cycle]
商品が市場に投入されてから、次第に売れなくなり姿を消すまでのプロセスのことをいうマーケティング用語。その市場における製品に関する需要寿命を示しているともいえる。売上(利益)を縦軸、時系列推移を横軸にとった売上(利益)曲線で示されることが多いが、通常は売上曲線と利益曲線は同じパターンにはならない。また、プロダクト・ライフサイクルの段階区分は、導入期、成長期、成熟(市場飽和)期、衰退期の4段階で表現されることが多い。製品および市場の特性に応じて、短命な製品、平均的な製品、長命な製品とさまざまなパターンがある。また製造業では、ある特定の製品が、設計、生産、販売、メンテナンスを経て、最終的に廃棄されるまでの一連のプロセスをいうこともある。

出所:@IT情報マネジメント用語事典

ということです。

プロダクトライフサイクルの各ステージにおいて、どのようなイノベーションが必要なのか考えてみると(製品の寿命は様々であり一概には言えませんが・・・)、

  • 導入期・成長期 : 製品(プロダクト)そのもののイノベーション
  • 成熟期・衰退期 : 製品(プロダクト)以外のイノベーション

つまり、

  • 導入期・成長期 : プロダクトイノベーション
  • 成熟期・衰退期 : プロセスイノベーション

のように言えるのではないかと思います。

導入期・成長期は製品そのものの機能向上、小型・軽量化、利便性向上に重きを置かれます。しかし成熟期・衰退期になってくると、製品そのものの価値を向上させるというよりは、いかに安く作るか、いかに早く作るか、部品点数を減らすか、に重きが移ってきます。

特許情報から考えてみると、

  • 導入期・成長期 : モノの特許が多い
  • 成熟期・衰退期 : 製造方法の特許が多い

ということが言えるのではないかと思っています。

実際にある製品を例にとって上記の考え方が通用するか否か試してみたいと思っています。