Vol.011(2006-08-28)


■Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 1:特許検索のネタ
 2:検索式データベースの選択
 3:検索式を作成する
  3-1:検索式作成のキホン
  3-2:検索式を作成する
 3:特許検索の鉄則
 ◇ショートカット



1:特許検索のネタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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Vol.6より、CMでもお馴染みのパナソニックのお掃除ロボット
搭載エアコンを特許検索のテーマとして、約2ヶ月にわたって
以下のようなシリーズでお届けします。


  1 回目:特許検索の基本を学ぶ (発行済)

  2 回目:キーワードを選定する (発行済)

 3-4回目:特許分類を探す    (発行済)

  5 回目:いざ検索!      (今 回)

  6 回目:Excelで検索結果を整理



このシリーズの内容をしっかりと理解すれば、仕事に
おいても役立つ特許検索スキルを得ることができます。


<<今回からメールマガジンをご購読いただいている方へ>>


パナソニックのお掃除ロボット搭載エアコンは知ってますか?


もしもご存じない方は、こちらのサイトを見てください。


■パナソニックのお掃除ロボット搭載エアコン
 http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=CS-X286AS


さて、パナソニックのお掃除ロボット搭載エアコンに関する
開発ストーリーを読むと、


■お掃除ロボット搭載エアコン 開発ストーリー
 http://panasonic.co.jp/products/story/aircon/case01/case01.html


開発ストーリーの末尾に

 また、商品の開発途中で新たに生まれた技術やアイデアは
 次々と特許出願される。今回のフィルターお掃除ロボット
 に関しても、開発を終えてみると、60件もの特許出願(※4)
 となった。これは、従来のエアコン1機種開発における
 特許出願数の2倍近い数字だった。

 ※4: 特許出願件数60件
     2004年11月現在

とあります。


つまりパナソニックのお掃除ロボット搭載エアコン関連特許は
最低60件はあることが分かります。


このお掃除ロボット搭載エアコン関連特許を網羅的に検索する
ための方法を、解説していきます。



2:検索データベースの選択━━━━━━━━━━━━━━━━
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前回までで、検索するための材料はそろいました。


今までそろえた材料は、

■検索項目
 種別  :特許
 権利状況:不明
 番号  :不明
 出願人 :パナソニック(松下電器産業)
 技術分野:エアコン

■技術分野と技術的特徴
 技術分野 :エアコン
 技術的特徴:フィルタを自動的に掃除する

■FI(ファイル・インデックス)
 F24F1/00,371@A  エアフイルタ−に関するもの
 F24F1/02,381@A  エアフイルタ−に関するもの
 F24F11/02@M   フイルタ−関連

です。


あとは検索式を作成して、検索するだけ・・・とその前に、
検索するデータベースを選択する必要があります。


特許電子図書館(IPDL)の検索データベースとしては、

・特許・実用新案公報DB
・特許・実用新案文献番号索引照会
・公報テキスト検索
・FI・Fターム検索
・IPC検索
・公開特許公報フロントページ検索 

があります。


今回の特許検索の目的『パナソニックのお掃除ロボット搭載
エアコン関連特許を探し出す』に適したデータベースの検討
結果を以下の表に示します。


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   データベース       | 選択・理由
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
特許・実用新案公報DB     | × 番号検索のみ
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特許・実用新案文献番号索引照会 | × 番号検索のみ
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公報テキスト検索        | ○ FI検索可能
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
FI・Fターム検索       | × 出願人検索不可
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
IPC検索           | × 出願人検索不可
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
公開特許公報フロントページ検索 | △ FIでの検索不可
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特許・実用新案公報DBや特許・実用新案文献番号索引照会
は番号検索のみしかできませんので、今回の目的に合致した
データベースではありません。


またFI・Fターム検索やIPC検索では、特許分類からの
検索はできますが、出願人での検索ができないため、今回の
調査には適していません。


残った公報テキスト検索と公開特許公報フロントページ検索
ですが、公開特許公報フロントページ検索ではFIでの検索が
できないため、公報テキスト検索を使います。


ちょっとした情報〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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IPDLやUSPTO、espacenetなどの無料データベースと見ると
データベースは大きく3つの種類に分かれます。

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    データベース       |    種類
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特許電子図書館
 特許・実用新案の検索      | 初心者向け検索
 特許・実用新案公報DB     | 番号検索
 特許・実用新案文献番号索引照会 | 番号検索
 公報テキスト検索        | 高度な検索
 FI・Fターム検索       | 高度な検索
 IPC検索           | 高度な検索
 公開特許公報フロントページ検索 | 高度な検索
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
USPTO
 Quick Search          | 初心者向け検索
 Patent Number Search      | 番号検索
 Advanced Search         | 高度な検索
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
esp@cenet
 Quick Search           | 初心者向け検索
 Advanced Search         | 高度な検索 
 Number Search          | 番号検索
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ここで"高度な検索"な検索とは、1つまたは複数の検索項目を
互いに掛け合わせることのできる検索のことを指しています。

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3:検索式を作成する━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━━━━━━━━━━━━━━━━3-1:検索式作成のキホン

まず検索式作成の基本を説明します。


検索式の基本パターンは


 ・キーワード
 ・特許分類(IPC、FI、Fターム)


の組み合わせです。つまり、検索式の基本パターンは


 1) キーワードのみ
 2) 特許分類のみ
 3) キーワードと特許分類の掛け算


の3通りです。


※この3通りを組み合わせたり、この3通りに年代で限定したり
 今回のように出願人が分かっている場合は出願人限定したり
 します。


もう1つ検索式作成において重要なことを述べます。
それは演算子OR(+)とAND(*)です。


テキストなどを見ると、ベン図が書いてあり、OR演算とAND
演算の違いを説明しています。


この説明は分かりやすいのですが、ORとANDをどのような時に
使えば良いのか、という問いには答えていません。


細木和子ばりにズバリ言うと、


 OR :同じ概念のものをつなぐ
 AND:異なる概念のものをつなぐ


となります。


例えば、今回のようにエアコンを探したい場合


 エアコン or クーラー or 空調 or 空気調和 or 冷暖房


のようにOR演算します。


間違っても


 エアコン and クーラー and 空調 and 空気調和 and 冷暖房


とはしません。なぜならば、これらのキーワードは同じ概念
だからです。


次にフィルタつきのエアコンを探したい場合、エアコンという
キーワードとフィルタというキーワードをOR演算しますか?
それともAND演算しますか?


答えはANDです。エアコンとフィルタは概念が違うからです。


 エアコン and フィルタ


さらに


 (エアコン or クーラー or 空調 or 空気調和 or 冷暖房)
 and フィルタ


とすれば、より網羅的なキーワード検索ができます。


実はこのORとANDの使い方は非常に重要です。


ORでつなぐべきではないキーワード同士、特許分類同士を
OR演算していたり、AND演算すべきではないキーワード同士を
ANDでつないでいたり・・・


検索式を作成する際には


 ・検索式の基本3パターン
 ・OR、ANDの基本


の2つを思い起こしてくださいね。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━3-2:検索式を作成する

検索式作成のキホンを学んだところで、実際に検索式を作成
していきましょう。


といきたいところですが、今回はIPDLの公報テキスト検索を
使います。有料の特許検索データベースであれば、検索式の
制限を考慮する必要はないのですが、無料のIPDLでは制限が
あります。その点をまず抑えておきましょう。


公報テキスト検索のページに行きましょう

http://www7.ipdl.ncipi.go.jp/Tokujitu/tjkta.ipdl?N0000=108

すると、3つの検索項目があり、各検索キーワードがAND
演算で結ばれています。


つまり

  検索項目A and 検索項目B and 検索項目C

という状況です。


それでは、検索式作成に入っていきましょう。


もう一度、そろえた材料について見ておきましょう。


■検索項目
 種別  :特許
 権利状況:不明
 番号  :不明
 出願人 :パナソニック(松下電器産業)
 技術分野:エアコン

■技術分野と技術的特徴
 技術分野 :エアコン
 技術的特徴:フィルタを自動的に掃除する

■FI(ファイル・インデックス)
 F24F1/00,371@A  エアフイルタ−に関するもの
 F24F1/02,381@A  エアフイルタ−に関するもの
 F24F11/02@M   フイルタ−関連


まず検索項目Aとして、

 出願人/権利者 = 松下電器産業

というのがすぐ思い浮かぶでしょう。


次に検索項目Bとして、

 FI = F24F1/00,371A F24F1/02,381A F24F11/02M

 ※各FI間にはOR演算の意味を示すスペースを入れてあります
 ※@は不要なので取っています

というのも思い浮かびましたでしょうか?


実はこの2つだけでも立派な検索式です。検索式風に書くと

 (出願人/権利者=松下電器産業)
 and FI=(F24F1/00,371A or F24F1/02,381A or F24F11/02M)

です。


この検索式は


 松下電器産業出願のエアコン関連特許の中で
             エアフイルタ−に関するもの


を検索する式になっています。


実際に公報テキスト検索で検索してみてください。


公報種別は公開特許公報 (公開、公表、再公表) で検索した
ところ2006年8月27日現在173件ありました。


173件ではちょっと多いですね・・・


そこで、追加検索項目を考えます。


 (出願人/権利者=松下電器産業)
 and FI=(F24F1/00,371A or F24F1/02,381A or F24F11/02M)
 and ????


さてあなたは????にどんな追加検索項目を入れますか?


これは次回までの宿題にしましょう。今回はここまでです。



3:特許検索の鉄則━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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本号の解説の中から鉄則として2つまとめます。


■特許検索の鉄則022

 検索式の基本パターンは以下の3通り
 1) キーワードのみ
 2) 特許分類のみ
 3) キーワードと特許分類の掛け算


■特許検索の鉄則023

 演算子OR・ANDの正確に使う
 OR :同じ概念のものをつなぐ
 AND:異なる概念のものをつなぐ



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2006-11-11 : 更新