Vol.024(2007-01-23)


■Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 1:特許検索のネタ
 2:検索式の作成と特許検索(1)
  2-1:復習 (検索式作成のキホンと演算子について)
  2-2:検索式の作成 その(1)
  2-3:特許電子図書館の検索メニューを選ぶ
  2-4:特許分類検索メニュー用に検索式を修正
  2-5:特許分類で検索することのメリット
  2-6:まとめと次回について
 3:特許検索の鉄則
 ◇ショートカット


1:特許検索のネタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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今回から購読開始していただいた方は是非ともバックナンバー
をご覧下さい。


→バックナンバーはこちらから
 http://blog.mag2.com/m/log/0000194221/


第19号からホンダ(本田技研工業)のASIMO(アシモ)のような
二足歩行ロボットを特許検索のテーマとした特許検索シリーズ
を開始しました。


■参考ウェブサイト
 ASIMOオフィシャルサイト
  http://www.honda.co.jp/ASIMO/
 ASIMOのテクノロジー
  http://www.honda.co.jp/ASIMO/newmodel/

※今回の特許検索のテーマは、ホンダのASIMOのような二足
 歩行ロボットです。ホンダが出願しているASIMO関連特許
 に限定はしません。


前回までキーワード・同義語の洗い出し、そして特許分類の
選択を行ってきた結果、下のような表が完成しました。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         |  背景技術  |  技術的特徴  |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 キーワード   |  ロボット  | 二足(歩行)   |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 同義語     |        | 2足(歩行)  |
         |        | 二脚(歩行)  |
         |        | 2脚(歩行)  |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 IPC     |   B25J   |   なし    |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 FI      |   B25J   |  B25J5/00F   |
         |        |  (H11新設)   |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 Fターム    |    3C007   |  3C007WA13   |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


今回は、上記のキーワード・特許分類に基づいた検索式の作成
と特許検索を行っていきましょう。



2:検索式の作成と特許検索(1) ━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━ 2-1:復習 (検索式作成のキホンと演算子について)


検索式を作成する前に、検索式作成のキホンと演算子の

 OR  (記号では + )
 AND  (記号では * )

について復習しておきましょう。


特許検索の鉄則22、23を振り返ってみると・・・


   ■特許検索の鉄則022

    検索式の基本パターンは以下の3通り
    1) キーワードのみ
    2) 特許分類のみ
    3) キーワードと特許分類の掛け算


   ■特許検索の鉄則023

    演算子OR・ANDの正確に使う
    OR :同じ概念のものをつなぐ
    AND:異なる概念のものをつなぐ


でした。検索式の3つのパターン、そして、演算子OR、ANDの
違いについて再確認できましたか?



━━━━━━━━━━━━━━━ 2-2:検索式の作成 その(1)


それでは、検索式の検討に入りましょう。


今回の調査ではASIMO(アシモ)のような2足歩行ロボット関連の
特許を探し出すことが目標です。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         |  背景技術  |  技術的特徴  |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 キーワード   |  ロボット  | 二足(歩行)   |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 同義語     |        | 2足(歩行)  |
         |        | 二脚(歩行)  |
         |        | 2脚(歩行)  |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 IPC     |   B25J   |   なし    |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 FI      |   B25J   |  B25J5/00F   |
         |        |  (H11新設)   |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 Fターム    |    3C007   |  3C007WA13   |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


上記特許検索マトリックスを見ると、


  FI: B25J5/00F
  FT: 3C007WA13


の2つは、まさに「2足歩行ロボット」の分類です。つまり、
この2つの分類については、キーワード等を一切掛けずに、
そのまま使用するだけで「2足歩行ロボット」関連特許を
ヒットさせることができます。

よって検索式としては、


    B25J5/00F OR 3C007WA13


となります。なぜORを使用しているか分かりますね?
B25J5/00Fと3C007WA13は、両方とも「2足歩行ロボット」の
特許分類です。つまり「同じ概念」です。

よって同じ概念のものをつなぐためにORを用いています。



━━━━━━━━━2-3:特許電子図書館の検索メニューを選ぶ


それでは、先ほどの検索式


    B25J5/00F OR 3C007WA13


を用いて実際に検索してみましょう。

この検索式はFIとFタームのOR演算となっていますので、
特許電子図書館の特許・実用新案検索の中から


・特許・実用新案公報DB
・特許・実用新案文献番号索引照会
・公報テキスト検索
・特許分類検索
・公開特許公報フロントページ検索
・パテントマップガイダンス(PMGS)
・審査書類情報照会  


特許分類検索をします。なぜ公報テキスト検索や公開特許公報
フロントページ検索を使用しないかと言うと、Fターム検索が
できないからです。Fターム検索は特許分類検索のみ可能です


参考のために公報テキスト検索、特許分類検索、公開特許公報
フロントページ検索の違いをまとめておきます。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          | IPC | FI | Fターム |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 公報テキスト検索 |  ○  |  ○  |  ×  |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 特許分類検索   |  ○  |  ○  |  ○  |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 公開特許公報   |  ○  |  ×  |  ×  |
 フロントページ検索|     |     |     |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                     ※○:検索可能


ちょっと話しが脇道に行ってしまいました。本題に戻ります。


FIとFタームのOR演算である


    B25J5/00F OR 3C007WA13


の検索式を、特許分類検索のページで検索するのですが、実は
ちょっとした検索式入力のコツがあります。



━━━━━━━━2-4:特許分類検索メニュー用に検索式を修正


特許電子図書館・特許分類検索のページにいきましょう。


http://www.ipdl.ncipi.go.jp/Tokujitu/pcsj_top.ipdl?N0000=1500


項目として、

●分類指定:FI・Fターム、IPC
●資料型
●公知日/発行日
●テーマ
●検索式

の5つがあります。まず分類指定は、FI・Fタームによる
検索を行いたいので、FI・Fタームにチェックを付けます。

次に資料型ですが、特許だけで良ければ特許に、実用新案まで
含めたければ実用新案にもチェックを入れましょう。

※特許明細書や実用新案明細書は非常に古い資料なので、
 あまり気にしなくても良いです。

公知日/発行日は調査期間です。いつからいつまでの特許を
調べたいか、調査対象期間が決まっていれば、入力の指示に
したがって入力しましょう。

テーマは今回は関係ないので、省略します。

いよいよ本題の検索式です。ここに、先ほどの


    B25J5/00F OR 3C007WA13


を入力するわけです。しかし、このまま入力してもエラーが
出てしまいます。その理由は、


 ◆特許分類検索・検索式作成ルール(1)
  OR は + へ
  AND は * へ

 ◆特許分類検索・検索式作成ルール(2)
  FIの分冊識別記号(一番末尾に付与されているアルファ
  ベット)の前に@(アットマーク)を付ける


の2つのルールがあるからです。このルールにのっとって
検索式を変更すると


 ●変更前
    B25J5/00F OR 3C007WA13

 ●変更後
    B25J5/00@F+3C007WA13


となります。それでは、


●分類指定:FI・Fタームにチェック
●資料型 :特許、実用新案にチェック
●公知日 :ブランク
●テーマ :ブランク
●検索式 :B25J5/00@F+3C007WA13


の条件で検索してみましょう。


このメールマガジンを作成している2007年1月20日現在では、
940件がヒットしました。ヒット件数 940件の下に「リスト」
というボタンがあります。このボタンをクリックすると、
ヒットした940件の公報番号・発明の名称を見ることができ
ます。


先頭の10件のデータを見ると・・・


--------------------------------------------------------
項番 文献番号     発明の名称 
--------------------------------------------------------
 1. 特開2006-334774 エフェクタの軌道を制御するための
           方法  
 2. 特開2006-326737 有腕ロボットおよびその制御方法  
 3. 特開2006-326703 ロボット制御装置
 4. 特開2006-321013 ロボットおよびその制御方法  
 5. 特開2006-321012 ロボットおよびその制御方法  
 6. 特開2006-320978 移動ロボットの補助装置および移動
           ロボットの補助方法  
 7. 特開2006-315100 二足歩行ロボットおよびその制御方法  
 8. 特開2006-315095 ロボットとその制御方法  
 9. 特開2006-315089 歩行ロボットおよび歩行ロボットの
           歩行制御方法  
10.  特開2006-312209 脚式移動ロボット及び車輪移動式
           人型ロボット  
--------------------------------------------------------


となっています。「二足歩行」というキーワードが入っている
ものもありますが、項番3の「ロボット制御装置」のように、
二足歩行というキーワードが含まれていない特許もヒットして
います。



━━━━━━━━━━2-5:特許分類で検索することのメリット

先ほどの


--------------------------------------------------------
項番 文献番号     発明の名称 
--------------------------------------------------------
 3. 特開2006-326703 ロボット制御装置
--------------------------------------------------------


について、もう少し検討してみましょう。文献番号をクリック
すると、公報のHTMLデータを見ることができます。

書誌的事項を見ると、この特許が本田技研工業から出願された
ものであるということが分かります。またFタームを見ると、
先ほど検索式に含まれていた「3C007WA13」が付与されている
ことが確認できます(FIもB25J5/00Fが付与されています)。


さて、次に要約を見てみましょう。


【要約】
【課題】複数ロボットに全体として最小コストでタスクを実行
    させることにより、複数のロボットの行動を最適化
    できるロボット制御装置を提供する。
【解決手段】ロボットの現在地からタスク実行位置までの
    プランを選択する移動計画選択手段420と、プラン
    に基づいてロボット間距離を算出するロボット間距離
    算出手段430と、ロボット間距離によって出会う可
    能性を判定する出会可能性判定手段440と、各ロボ
    ットの各プランに要するプランコストを算出する移動
    計画実行コスト算出手段460と、出会う可能性があ
    る場合に出会起因コストを算出する出会起因コスト算
    出手段450と、プランコスト及び出会起因コストに
    基づいて、タスクを最小コストで実行できるプランを
    決定する最適経路選択手段470と、決定されたプラ
    ンへロボットを誘導する命令を生成する計画変更誘導
    命令生成手段480とを有する。


要約を読んでも「二足歩行ロボット」であることへの言及は
一切ありません。また、メールマガジンには掲載しませんが
【特許請求の範囲】にも「二足歩行ロボット」とは一言も
触れていません。


左上にある ●(全項目) または 詳細な説明 をクリック
して、実施例を読んでみると・・・


【0026】
[ロボット]
本実施形態のロボット(移動ロボット)Rは、自律移動型の
2足歩行ロボットである。このロボットRは、主として、ロ
ボット制御装置3から送信されたタスク実行命令に基づいて
タスクを実行するものである。


との記載があります。Fタームは実施例も加味した上で付与
されているので、たとえ要約や特許請求の範囲(クレーム)に
書かれていない場合であっても、ヒットさせることができる
のです。


━━━━━━━━━━━━━━━━2-6:まとめと次回について


今回は二足歩行ロボット関連にピッタリ該当する特許分類を
用いて検索式を作成して、特許検索を行いました。つまり、
検索式キホン3パターンの中で

   1) キーワードのみ
 ◎ 2) 特許分類のみ
   3) キーワードと特許分類の掛け算

2)について学びました。次回は3)について学んでいきます。



3:特許検索の鉄則━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回は過去の鉄則2つを再掲し、本号の解説の中から鉄則と
して新たに3つまとめます。


■特許検索の鉄則022(再掲)

 検索式の基本パターンは以下の3通り
 1) キーワードのみ
 2) 特許分類のみ
 3) キーワードと特許分類の掛け算


■特許検索の鉄則023(再掲)

 演算子OR・ANDの正確に使う
 OR :同じ概念のものをつなぐ
 AND:異なる概念のものをつなぐ


■特許検索の鉄則043

 特許電子図書館の特許・実用新案検索の下記3メニューの
 検索可能な特許分類の違いを理解する

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          | IPC | FI | Fターム |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 公報テキスト検索 |  ○  |  ○  |  ×  |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 特許分類検索   |  ○  |  ○  |  ○  |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 公開特許公報   |  ○  |  ×  |  ×  |
 フロントページ検索|     |     |     |
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                     ※○:検索可能


■特許検索の鉄則044

 IPDL・特許分類検索では、以下の2つのルールに則り
 検索式を作成する

 ◆特許分類検索・検索式作成ルール(1)
  OR は + へ
  AND は * へ

 ◆特許分類検索・検索式作成ルール(2)
  FIの分冊識別記号(一番末尾に付与されているアルファ
  ベット)の前に@(アットマーク)を付ける


■特許検索の鉄則045

 Fタームは実施例中の記載も考慮した上で付与されている
 


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2007-01-15 : 更新