Vol.031(2007-05-15)


■Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 1:特許検索のネタ

 2:特許分類の選定
  2-1:特許分類の種類
  2-2:特許分類の選定に役立つサイト
 3:特許分類の選定方法
  3-1:最も基本的な特許分類の選定方法
  3-2:特許分類選定の考え方

 4:特許検索の鉄則



1:特許検索のネタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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前々回から始まった『特許電子図書館を使った類似特許検索の方法〜半導体
関連特許を例に〜』では、具体的にある特許を例に取りその特許の類似特許を
探す方法を解説しています。


取り上げた特許は松下電器産業出願の半導体装置に関する特許です。


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【発明の名称】半導体装置
【公開番号】 特開2005-123458
【出願日】  2003年10月17日
【出願人】  松下電器産業株式会社
【要約】
【課題】マイクロ波帯域からテラヘルツ帯域での特性のバラツキが抑制されて
おり、実装が容易で、高周波信号を空間や外部回路に効率よく伝達することが
可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、基板1と、基板1の最上部に形成された
n型半導体層2Aと、基板1上に互いに離間して形成され、伝送線路を構成
する信号線5および接地線6と、n型半導体層2Aと、信号線5および接地
線6とから構成される発振素子15と、基板1上に形成され、信号線5に
接続された高周波利用回路部11とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】n型半導体層を最上部に有する基板と、
 上記基板上に互いに離間して形成され、伝送線路を構成する信号線および
接地線と、
 上記n型半導体層と、上記信号線および上記接地線とから構成される
発振素子と、
 上記基板上に形成され、上記信号線に接続された高周波利用回路部と、
を備える、半導体装置。
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前回は類似特許検索における検索式作成の基本を確認しました。今回からは
複数回に分けて「特許分類の選定」と「キーワードの選定」について解説して
いきます。今回は「特許分類の選定」です。



2:特許分類の選定━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2-1:特許分類の種類


まず始めに復習も兼ねて、特許分類の種類について見ていきましょう。


特許分類には大きく


 ・IPC(国際特許分類)
 ・FI(ファイル・インデックス)
 ・FT(Fターム)


の3つがあります。その他、アメリカ固有の米国特許分類やヨーロッパ固有の
欧州特許分類(ECLA)があります。


日本特許を調べる場合は、主にIPC・FI・Fタームのいずれかを用います。
3つの特許分類について簡単に特徴をまとめると以下のようになります。


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        | 特徴
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  IPC   | IPC (国際特許分類) とは、国際特許分類に関するスト
        | ラスブール協定(1971年3月24日 : 日本では1976年に批
        | 准)に基づいて作成された世界共通の特許分類。
        | A〜Hの7つのセクションに分かれており、セクションの
        | 下位にはサブセクション、クラス、サブクラス、メイン
        | グループ、サブグループと階層構造になっている。
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  FI    | 国際特許分類(IPC)の末尾に分冊識別記号(アルファベッ
        | ト1文字)や展開記号(3桁の数字)を追加して、IPCをさら
        | に細分類した特許分類で、日本固有の分類。
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  Fターム  | 技術的観点から項目分けされているIPCとは異なり、
        | 複数の観点(発明の目的、用途、材料、制御、制御量
        | など)から細分類した特許分類。特許の実態審査におけ
        | る先行技術調査を効率的に行うためにFタームが開発さ
        | れた。FIと同様、日本固有の分類。
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※e-Patent Search 特許分類を参照
 http://www.e-patentsearch.net/patent_classification/


上記の特徴からも分かりますが、IPCを細かくしたものがFI、IPCやFIとは異
なった観点で体系化された分類がFタームとなります。特許検索の目的や
必要に応じて、どの特許分類を使用するか決定します。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2-2:特許分類の選定に役立つサイト


特許分類を選ぶ際に役立つサイトを紹介しておきましょう。


パテントマップガイダンス
 http://www5.ipdl.inpit.go.jp/pmgs1/pmgs1/pmgs

PATOLISサーチガイド
 http://search.p4.patolis.co.jp/search.html?kk=0001


いずれのサイトも、キーワードから特許分類を探すことができます。機能面で
大きな差はありません。ちなみに私は通常はPATOLISサーチガイドを使って
います。気のせいかもしれませんがパテントマップガイダンスよりも応答速度
が早く感じるので。



3:特許分類の選定方法━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━3-1:最も基本的な特許分類の選定方法


さて、特許検索の検索式作成のために特許分類を選ぶ場合、最も基本的な選定
方法は「対象特許に付与されている特許分類をそのまま使う」です。


対象特許に付与されているIPCを見ると

■IPC(国際特許分類)

 H01L 47/00 バルク負性抵抗効果装置,例.ガン効果装置;それらの装置また
       はその部品の製造または処理に特に適用される方法または装置
☆H01L 47/02 ・ガン効果装置

 H03B 9/00 走行時間効果を用いた振動の発生
☆H03B  9/12 ・固体装置を用いるもの,例.ガン効果装置


が付与されています。またFI、Fタームについてもそれぞれ見ると


■FI(ファイル・インデックス)

 H01L 47/00 バルク負性抵抗効果装置,例.ガン効果装置;それらの装置また
       はその部品の製造または処理に特に適用される方法または装置
☆H01L 47/02 ・ガン効果装置

 H03B 9/00 走行時間効果を用いた振動の発生
☆H03B  9/12 ・固体装置を用いるもの,例.ガン効果装置


■FT(Fターム)

 5F094   ガン効果素子
 5J003   固体発振回路


となりました(Fタームの探し方については以下参照)。

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特許公報にFタームが掲載されていない場合・・・
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 「特許・実用新案公報DB」を用いて特開2005-123458の公報を見てもFターム
 は書かれていません。このような場合、経過情報検索の「番号照会」を用い
 て検索します。

 経過情報検索・番号照会
 http://www1.ipdl.inpit.go.jp/RS1/cgi-bin/RS1P001.cgi

 特開2005-123458では[出願情報]のテーマコード記事という欄に上記2つの
 Fタームが記載されています。

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━3-2:特許分類選定の考え方


今回のように対象特許がある場合は、


     対象特許に付与されている特許分類を選定


することが基本です。次に対象特許に付与されていないけれどもが、関連の
ある特許分類を選定することになります。このとき


     対象特許に付与されている特許分類の上位分類を選定


することも基本としても良いかと思います。つまり、今回の例で言えば


 H01L 47/00 バルク負性抵抗効果装置,例.ガン効果装置;それらの装置また
       はその部品の製造または処理に特に適用される方法または装置
☆H01L 47/02 ・ガン効果装置

 H03B 9/00 走行時間効果を用いた振動の発生
☆H03B  9/12 ・固体装置を用いるもの,例.ガン効果装置


対象特許公報に付与されているのは「H01L47/02」と「H03B9/12」ですが、
この上位分類である「H01L47/00」と「H03B9/00」を選択するということです。


なぜ上位分類を選定するのか?


この理由については次回のメールマガジンで解説していきます。



4:特許検索の鉄則━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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本号の解説の中から新たに4つまとめます。


■特許検索の鉄則067

 特許検索の目的に応じて、IPC・FI・Fタームのいずれの特許分類を使用
 するか決定する


■特許検索の鉄則068

 特許分類選定の最も基本的な方法は対象特許に付与されている特許分類を
 そのまま使うことである


■特許検索の鉄則069

 対象特許に付与されている特許分類の上位分類も選定すると良い


■特許検索の鉄則070

 特許公報にFタームが記載されていない場合であっても、経過情報検索の
 「番号照会」を用いて検索すればFターム情報が分かる場合がある。


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特許電子図書館を使った[特許検索のコツ]

   

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2007-04-22 : 更新