Vol.033(2007-06-28)


■Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 1:特許検索のネタ

 2:前回・前々回のおさらい

 3:特許分類のモレをなくす
  3-1:特許分類は網羅的に選定
  3-2:公報に付与されている分類で検索する
  3-3:公報に付与されている分類にキーワードを掛ける
  3-4:洗い出した分類の検討

 4:特許検索の鉄則



1:特許検索のネタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ずいぶん間が空いてしまったので忘れた方もいるかもしれませんね。
またこの間に新しく登録していただいた方もいると思いますので、現在この
メルマガで取り組んでいる特許検索のネタを紹介させていただきます。


今回のシリーズでは松下電器産業出願の半導体装置に関する特許を例に取り
その特許の類似特許を探す方法を解説しています。


取り上げた特許は以下の特許です。


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【発明の名称】半導体装置
【公開番号】 特開2005-123458
【出願日】  2003年10月17日
【出願人】  松下電器産業株式会社
【要約】
【課題】マイクロ波帯域からテラヘルツ帯域での特性のバラツキが抑制されて
おり、実装が容易で、高周波信号を空間や外部回路に効率よく伝達することが
可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、基板1と、基板1の最上部に形成された
n型半導体層2Aと、基板1上に互いに離間して形成され、伝送線路を構成
する信号線5および接地線6と、n型半導体層2Aと、信号線5および接地
線6とから構成される発振素子15と、基板1上に形成され、信号線5に
接続された高周波利用回路部11とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】n型半導体層を最上部に有する基板と、
 上記基板上に互いに離間して形成され、伝送線路を構成する信号線および
接地線と、
 上記n型半導体層と、上記信号線および上記接地線とから構成される
発振素子と、
 上記基板上に形成され、上記信号線に接続された高周波利用回路部と、
を備える、半導体装置。
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前回・前々回と特許分類の選定について解説しました。今回も特許分類の選定
について解説します。



2:前回・前々回のおさらい━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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前々回のメルマガで「特許分類選定の基本として」


   ◆特許検索の鉄則068
    対象特許に付与されている特許分類を選定

   ◆特許検索の鉄則069
    対象特許に付与されている特許分類の上位分類を選定


の2つを挙げました。前回のメルマガでは鉄則069「上位分類を選定する」
ことについて、なぜ「上位分類を選定する」のかを解説しました。

忘れた方はもう一度バックナンバーを確認してください。



3:特許分類のモレをなくす━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━3-1:特許分類は網羅的に選定


前回・前々回で解説した分類選定は基本中の基本です。

これまでにメルマガでは


◆パナソニックのお掃除ロボット搭載エアコン
 ・特許分類を探す(前編)
  http://blog.mag2.com/m/log/0000194221/107538963.html
 ・特許分類を探す(後編)
  http://blog.mag2.com/m/log/0000194221/107585489.html

◆ASIMO(アシモ)関連特許を探し出す!
 ・特許分類の選び方(前編)
  http://blog.mag2.com/m/log/0000194221/108080202.html
 ・特許分類の選び方(後編)
  http://blog.mag2.com/m/log/0000194221/108114863.html


で特許分類の探し方・選び方を解説してきました。今回の特許分類の探し方は
これまで解説したものとは異なります。


特許分類は網羅的に選ぶに越したことはありません。キーワード検索でノイズ
をたくさん拾ってしまうよりは、じっくりと特許分類を選定し、なるべく読み
込む公報の件数を減らした方が、結果的には時間・工数の節約になるのでは
ないでしょうか?


━━━━━━━━━━━━━━━━3-2:公報に付与されている分類で検索する


前回・前々回のメルマガを通して


 H01L 47/00 バルク負性抵抗効果装置,例.ガン効果装置;それらの装置また
       はその部品の製造または処理に特に適用される方法または装置
☆H01L 47/02 ・ガン効果装置

 H03B 9/00 走行時間効果を用いた振動の発生
☆H03B  9/12 ・固体装置を用いるもの,例.ガン効果装置


の分類を選びました。


今回の分類選定方法はいたって単純です。公報に付与されている☆のIPCで
検索して、ヒットした公報集合のIPCをざっと確認します。


今回は特許電子図書館の「公開特許公報フロントページ検索」を使います。

http://www1.ipdl.inpit.go.jp/FP1/cgi-bin/FP1SEARCH

ページ下部にある「IPC【半角入力】」に


            H01L47/02 H03B9/12


を入力して「検索実行」ボタンを押します。すると96件がヒットします(2007
年6月27日現在)。「一覧表示」ボタンを押して、特許リストを表示します。


公報を見ていき付与されているIPCを1件1件確認していきます。


1 / 96件  H03B   9/12 ☆
      H01L  47/02 ☆

2 / 96件  H01L  47/02 ☆
      H03B   9/12 ☆

3 / 96件  H01L  39/22
      H01L  39/24
      H03B   9/12 ☆

4 / 96件  H03B   9/12 ☆
      G01S   7/03
      G01S   7/28
      G01S  13/93
      H04B   1/38
      H04B   1/40

5 / 96件  H03B   9/12 ☆

6 / 96件  H01L  47/02 ☆
      H03B   9/12 ☆

7 / 96件  H01L  47/02 ☆

8 / 96件  H01L 47/02  ☆
      H01L 21/331   
      H01L 21/338   
      H01L 29/737   
      H01L 29/778   
      H01L 29/812   

(以下省略)


こんな感じで紙に書き出しても良いですし、WordやExcelにコピー・ペースト
しても良いでしょう。チェックする件数は50-100件ぐらいが適当で、あまり
にも多いとチェックするだけでうんざりしてしまいます。


━━━━━━━━━━━3-3:公報に付与されている分類にキーワードを掛ける


もしもチェックする公報の件数を減らしたい場合は、特許検索マトリックス
シートの背景技術からキーワード抽出して掛け合わせると良いでしょう。


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         |  キーワード
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 背景技術   1|  半導体装置
         |━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        2|  周波数帯域
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 技術的特徴  1|  基板(n型半導体層)
 構成要件    |━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        2|  信号線・接地線
         |━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        3|  発振素子
         |━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        4|  高周波利用回路部
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


半導体装置では一般的過ぎるので、「周波数帯域」を掛け合わせたいと思うの
ですが「周波数帯域」とIPC「H01L47/02 H03B9/12」で検索すると2件になって
しまいます。


2件ではIPCチェック対象として少なすぎるので、「周波数」を掛け合わせて
みます。すると24件になります。24件のIPCをざっと洗い出すのであれば、
96件よりはヤル気が出ますね。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━3-4:洗い出した分類の検討


IPC「H01L47/02 H03B9/12」に「周波数」を掛け合わせた24件の集合からIPCを
洗い出すと、以下のようになりました(付与されている件数の多い順にソート
しています)。


H01L47/02 ☆
H03B 9/12 ☆
H03B 9/14   H03B 9/12の下位分類
H03B 5/18   出力から入力への再生帰還による増幅器を用いた振動の発生
        ・周波数決定素子が分布定数インダクタンスと分布定数
        キャパシタンスとからなるもの
H01P 3/16   導波管;導波管型の伝送線路
        ・誘電体導波管,すなわち長手方向導体をもたないもの
H01P 1/00   補助装置
H04B 1/38   グループ3/00から13/00の単一のグループに包含
        されない伝送方式の細部;伝送媒体によって特徴づけられ
        ない伝送方式の細部
        ・送受信機,すなわち送信機と受信機とが1つの構造ユニッ
        トを形成し,かつ少なくとも一部分は送信および受信機能の
        ために用いられる装置
H01L21/60   半導体装置または固体装置またはそれらの部品の製造または
        処理に特に適用される方法または装置
        ・・・・動作中の装置にまたは装置から電流を流すための
        リードまたは他の導電部材の取り付け
H01L23/12,301 半導体または他の固体装置の細部
        ・・高周波素子のマウント
H03D 7/12
G01S 7/03
H01P 7/06
H04H 1/04
H01L39/24
G01S13/34
H01J25/74
H01P 3/02
G01S 7/282
H01P 5/10
H01L39/22
H01P 7/10              (以下省略)
H01Q13/08
H01Q21/06
H03B 1/00
H03B23/00
H03B 5/12
G01S 7/28
H03B 7/04
G01S13/93
H01L35/32
H01L35/16
H03L 7/24
H04B 1/04
H04B 1/18
H01L29/90
H04B 1/40


ここでは全ての分類について説明を掲載していませんが、是非ともトライして
みてください。特許分類を選ぶのは慣れです。やっているうちにいくつかの
分類を覚えてきて、「この分野だったらココだな」というのが検討がつくよう
になります。

始めにコツコツと上記のような地道な作業を繰り返しやっておき、データを
蓄積していけば後々役立ってくると思います。


※ちなみに私も仕事で担当している分野であれば、だいたい調査内容を聞くと
 IPCが頭に浮かびます。


さて洗い出した分類の検討ですが、これについては次回にしましょう。


4:特許検索の鉄則━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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本号の解説の中から2つを特許検索の鉄則としてまとめます。
また2つを再掲します。


■特許検索の鉄則068(再掲)

 特許分類選定の最も基本的な方法は対象特許に付与されている特許分類を
 そのまま使うことである


■特許検索の鉄則069(再掲)

 対象特許に付与されている特許分類の上位分類も選定すると良い


■特許検索の鉄則071

 対象特許に付与されている特許分類で検索を行い、ヒットした公報集合に
 付与されている特許分類を見ることで、網羅的に特許分類を収集する


■特許検索の鉄則072

 対象特許に付与されている特許分類で検索を行った場合にヒット件数が
 多いときは、特許検索マトリックスで抽出したキーワードを掛けて件数を
 絞り込んだ上で特許分類をチェックする


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特許電子図書館を使った[特許検索のコツ]

   

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2007-09-23 : 更新