e-patent > メールマガジン > 米国特許検索入門 > (6) 特定技術分野の出願動向を調べる(4)

Vol.050(2007-12-25)


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2007.12.25━


【本号のテーマ】

  米国特許検索入門(6)

          特定技術分野の出願動向を調べる(4)



■Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 1:特許検索のネタ

 2:米国特許検索式の作成:特許分類部分の検索式(1)
  2-1: 特許分類フィールド
  2-2: 国際特許分類フィールドの使い方
  2-3: 国際特許分類フィールドのトランケーション
  2-4: 国際特許分類検索を行うときの注意点

 3:特許検索の鉄則



1:特許検索のネタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


本シリーズでは、これまでメルマガを通じて解説してきた米国特許検索の知識
を生かして「特定技術分野の出願動向」を調べていきます。


今回設定したテーマは、日本経済新聞で取り上げられたトヨタのロボット開発
を取り上げました。


トヨタと比較する企業は、日経に掲載されていた

        ホンダ (本田技研工業)
        ソニー
        ファナック
        安川電機

の4社です。今回トヨタを含めた5社のロボット関連特許の日本における出願
状況の把握と米国特許の検索式作成について説明していきます。



2:米国特許検索式の作成:特許分類部分の検索式(1) ━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


前回のメールマガジンでキーワード部分の検索式作成について解説しました。
今回のメールマガジンでは特許分類、特に国際特許分類を使った検索式の作成
を説明していきます。米国特許分類については次回説明します。


ちなみに今回はUSPTOのPatent Full-Text and Full-Page Image Databases


   http://www.uspto.gov/patft/


の登録特許データベースIssued Patents (PatFT)の中の Advanced Search を
使っていきます。


   http://patft.uspto.gov/netahtml/PTO/search-adv.htm



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-1:特許分類フィールド
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


米国特許庁のデータベースには、国際特許分類IPCや米国特許分類USCといった
分類のフィールドとして


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  Field Code | Field Name         | フィールド名
   (コード)  | (フィールド名:英語)    |  (日本語)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ICL    | International Classification| 国際特許分類
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   CCL    | Current US Classification  | 米国特許分類
        |               | (ただし現行)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


があります。注意する点としてCCL(米国特許分類)はあくまでも"現行"の
分類であるということです。


国際特許分類も米国特許分類もある一定期間で更新されています。新しく
追加される分類もあれば、廃止される分類・統合される分類があります。
このCCLというフィールドはあくまでも"Current=現行"の米国特許分類を対象
にしているということを覚えておいてください。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ちなみにフィールドCCLのヘルプを見ると

http://www.uspto.gov/patft/help/helpflds.htm#Current_US_Class/SubClass

This field contains the original and cross-reference classes in which 
the patent was classified at the time of the most recent PTO Master 
Classification File.


とあります。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-2:国際特許分類フィールドの使い方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


それでは、国際特許分類IPCを使った場合の検索式を見ていきましょう。


IPCのフィールドは「ICL」です。ロボット関連のIPCは


  B25J マニプレ−タ;マニプレ−タ装置を持つ小室

  ※Vol.046参照
   http://blog.mag2.com/m/log/0000194221/109124298.html


ですから、フィールド「ICL」を使って検索式の表現にします。ICLの使い方を
見てみると、例として


ICL/G06F019/00

http://www.uspto.gov/patft/help/helpflds.htm#International_Class

のように書いてあります。このフィールドのポイントとしてメイングループの
前にゼロを入れて、3桁にそろえることです。


ICL/G06F019/00
        ~

さてB25Jを使って検索式にしたいのですが、ロボット関連を検索する際にB25J
のメイングループすべてを含めたい。その場合、ちまちまと


ICL/B25J001/00 OR ICL/B25J003/00 OR ICL/B25J005/00 OR 
ICL/B25J007/00 OR ICL/B25J009/00 OR ICL/B25J011/00 OR 
ICL/B25J013/00 OR ICL/B25J015/00 OR ICL/B25J017/00 OR 
ICL/B25J018/00 OR ICL/B25J019/00 OR ICL/B25J021/00


と入力しなければならないのか?これは非常に手間が掛かります。そこで前回
も解説したトランケーション記号$の出番です。



━━━━━━━━━━━━━2-3:国際特許分類フィールドのトランケーション
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


前回はキーワード検索で「ROBOT$」のように使うと、


  robots (複数形)
  robotics
  robotize
  robotically


のようなキーワードをヒットさせることができました。今回は特許分類のトラ
ンケーションです。


   ◆ヒット件数:96件
   ICL/B25J005/00

   ◆ヒット件数:131件
   ICL/B25J005/$

   ※データベース:Issued Patents (PatFT) Advanced Search
    調査対象期間:1976年〜最新分(2007年12月18日)
    調査実施日 :2007年12月24日


「ICL/B25J005/00」だけでは96件ですが、トランケーション記号を使って
「ICL/B25J005/$」で検索するとヒット件数は131件になります。


これは「ICL/B25J005/00」ではIPCのB25J5/00だけしか検索されていないのに
対して「ICL/B25J005/$」では下位分類の


 B25J5/00 車または搬送体に設置されているマニプレ−タ
 B25J5/02 ・ガイドウエイに沿つて走行するもの 
 B25J5/04 ・・ガイドウエイもまた動くもの,例.走行クレ−ン型 
 B25J5/06 ・操作者のための制御室に結合しているマニプレ−タ 


の3つもヒットしている、つまりトランケーション記号でカバーしていること
を意味しています。よってB25Jを含む特許をヒットさせたいのであれば、


   ◆ヒット件数:1304件
   ICL/B25J001/00 OR ICL/B25J003/00 OR ICL/B25J005/00 OR 
   ICL/B25J007/00 OR ICL/B25J009/00 OR ICL/B25J011/00 OR 
   ICL/B25J013/00 OR ICL/B25J015/00 OR ICL/B25J017/00 OR 
   ICL/B25J018/00 OR ICL/B25J019/00 OR ICL/B25J021/00

   ◆ヒット件数:2631件
   ICL/B25J001/$ OR ICL/B25J003/$ OR ICL/B25J005/$ OR 
   ICL/B25J007/$ OR ICL/B25J009/$ OR ICL/B25J011/$ OR 
   ICL/B25J013/$ OR ICL/B25J015/$ OR ICL/B25J017/$ OR 
   ICL/B25J018/$ OR ICL/B25J019/$ OR ICL/B25J021/$

   ※データベース:Issued Patents (PatFT) Advanced Search
    調査対象期間:1976年〜最新分(2007年12月18日)
    調査実施日 :2007年12月24日


のようにする必要があります。しかし、B25Jがカバーできますが検索式が異常
に長い。もうちょっとスッキリさせたいところです。そこで、サブクラスだけ
を検索する良い方法があります。それが下の方法です。


   ◆ヒット件数:5814件
   ICL/B25J$

   ◆ヒット件数:2631件
   ICL/B25J001/$ OR ICL/B25J003/$ OR ICL/B25J005/$ OR 
   ICL/B25J007/$ OR ICL/B25J009/$ OR ICL/B25J011/$ OR 
   ICL/B25J013/$ OR ICL/B25J015/$ OR ICL/B25J017/$ OR 
   ICL/B25J018/$ OR ICL/B25J019/$ OR ICL/B25J021/$

   ※データベース:Issued Patents (PatFT) Advanced Search
    調査対象期間:1976年〜最新分(2007年12月18日)
    調査実施日 :2007年12月24日


サブクラスの後ろにトランケーション記号$をつけて検索するとB25Jすべてを
検索することと同じになります。


さて、ICL/B25J$のヒット件数5814件と下のヒット件数2631件が2倍近く件数に
開きがあることに気づいたでしょうか?


実はこれは米国特許庁データベースの誤りなのです。



━━━━━━━━━━━━━━━━2-4:国際特許分類検索を行うときの注意点
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


本来であれば


   ICL/B25J$

と

   ICL/B25J001/$ OR ICL/B25J003/$ OR ICL/B25J005/$ OR 
   ICL/B25J007/$ OR ICL/B25J009/$ OR ICL/B25J011/$ OR 
   ICL/B25J013/$ OR ICL/B25J015/$ OR ICL/B25J017/$ OR 
   ICL/B25J018/$ OR ICL/B25J019/$ OR ICL/B25J021/$


は同じ意味になりますので、ヒット件数は同じになるはずです。


※まれにサブクラス「B25J」までしか付与されていない公報もありますので、
 全く同一のヒット件数になるとは限りませんが。


ここまでヒット件数が大きく乖離している理由は米国特許庁データベースの
誤りです。下の検索式を使ってICL/B25J$でヒットするが、メイングループを
つなげた検索式ではヒットしない公報を見てみましょう。


 ICL/B25J$ ANDNOT (ICL/B25J001/$ OR ICL/B25J003/$ OR 
 ICL/B25J005/$ OR ICL/B25J007/$ OR ICL/B25J009/$ OR ICL/B25J011/$ OR 
 ICL/B25J013/$ OR ICL/B25J015/$ OR ICL/B25J017/$ OR ICL/B25J018/$ OR 
 ICL/B25J019/$ OR ICL/B25J021/$)

 ◆ヒット件数:3183件(=5814−2631)

 ※データベース:Issued Patents (PatFT) Advanced Search
  調査対象期間:1976年〜最新分(2007年12月18日)
  調査実施日 :2007年12月24日


ヒット件数はICL/B25J$の5814件からメイングループ検索式の2631件を引いた
件数ですので、1件は重複もないことが分かります。


公報に記載されている米国特許分類(Current International Class)の部分を
10件ほど抜き出してみます。


 1 B25J 17/02 (20060101)
 2 B25J 15/06 (20060101)
 3 B25J 1/04 (20060101)
 4 B23Q 3/155 (20060101); B25J 15/04 (20060101); 
  H05K 13/04 (20060101)
 5 B25J 18/02 (20060101)
 6 G08B 23/00 (20060101); B25J 9/18 (20060101); 
  G05B 19/19 (20060101)
 7 B25J 1/02 (20060101)
 8 B25J 5/00 (20060101)
 9 B25J 15/08 (20060101)
10 B25J 1/02 (20060101)


これを見ると全てB25Jは含まれています。ICL/B25J001/$ OR ・・・の検索式
でヒットすべき公報がヒットしていません。なぜでしょうか?


今度は以下の検索式で


   ◆ヒット件数:2631件
   ICL/B25J001/$ OR ICL/B25J003/$ OR ICL/B25J005/$ OR 
   ICL/B25J007/$ OR ICL/B25J009/$ OR ICL/B25J011/$ OR 
   ICL/B25J013/$ OR ICL/B25J015/$ OR ICL/B25J017/$ OR 
   ICL/B25J018/$ OR ICL/B25J019/$ OR ICL/B25J021/$

   ※データベース:Issued Patents (PatFT) Advanced Search
    調査対象期間:1976年〜最新分(2007年12月18日)
    調査実施日 :2007年12月24日


でヒットした公報のIPCをチェックしてみましょう。


 1 B25J 003/00 ()
 2 B66C 001/10 (); B25J 015/08 ()
 3 B25J 015/06 ()
 4 B25J 005/00 ()
 5 B25J 018/00 ()
 6 B25J 017/02 ()
 7 B25J 015/06 ()
 8 B25J 009/18 ()
 9 B25J 018/00 ()
10 B62D 57/00 (20060101); B62D 57/032 (20060101); 
  F16F 9/04 (20060101); B25J 19/00 (20060101); 
  F16F 9/02 (20060101); B25J 005/00 ()

10件目ともメイングループ部分が3桁にそろっていることが分かります。


これは国際特許分類IPCの第8版への移行が原因だと考えられます。


※IPC第8版についての説明は日本特許庁のサイトを参照してください。
 http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/kokusai_t/kokusai_t_list.htm


IPC第8版へ移行するまで、つまりIPC第7版(2005年発行分)まではヘルプ画面に
書いてある方法、メイングループ部分を3桁にそろえる必要があります。


しかしIPC第8版へ移行した後はメイングループ部分を3桁にそろえる必要が
なくなりました。下の検索結果を見てください。


   ◆ヒット件数:131件
   ICL/B25J005/$

   ◆ヒット件数:244件
   ICL/B25J5/$

   ◇ヒット件数:345件
   ICL/B25J005/$ OR ICL/B25J5/$

   ◇ヒット件数:30件
   ICL/B25J005/$ AND ICL/B25J5/$

   ※データベース:Issued Patents (PatFT) Advanced Search
    調査対象期間:1976年〜最新分(2007年12月18日)
    調査実施日 :2007年12月24日


ICL/B25J005/$でヒットしている公報の最新のものは2005年12月20日発行、
それに対してICL/B25J5/$でヒットしている公報は2007年11月27日発行。


全ての期間においてB25J5/を含む米国特許をヒットさせたい場合は、


  ICL/B25J005/$ OR ICL/B25J5/$


と検索する必要があります。ちなみに「ICL/B25J005/$ AND ICL/B25J5/$」で
ヒットしている30件は先頭10件についてIPCを見てみると


 1 B60B 19/14 (20060101); B62D 57/00 (20060101); 
  B25J 5/00 (20060101); B25J 005/00 ()
 2 A47L 9/00 (20060101); B60S 1/00 (20060101); B60S 1/68 (20060101);
  B25J 5/00 (20060101); B25J 005/00 ()
 3 B25J 5/00 (20060101); B25J 5/02 (20060101); F01D 25/28 (20060101);
  B25J 005/00 (); G05B 019/19 ()
 4 B25J 5/00 (20060101); B25J 5/02 (20060101); F01D 25/28 (20060101);
  B25J 005/00 ()
 5 A63H 33/00 (20060101); B25J 5/00 (20060101); B25J 005/00 ()
 6 B25J 5/00 (20060101); B25J 19/00 (20060101); 
  B25J 18/00 (20060101); B25J 18/02 (20060101); B25J 019/00 ();
  B25J 005/00 (); B25J 018/02 ()
 7 B25J 5/00 (20060101); B25J 19/00 (20060101); B25J 5/02 (20060101);
  B25J 13/00 (20060101); B25J 005/00 ()
 8 B25J 5/00 (20060101); B25J 005/00 ()
 9 B25J 5/00 (20060101); B25J 9/04 (20060101); B25J 5/02 (20060101);
  B25J 9/02 (20060101); B25J 005/00 ()
10 B25J 5/00 (20060101); B64F 5/00 (20060101); B64D 015/00 ();
  B25J 005/00 ()


のようになっています。


これを見るとIPCが第8版以降と8版以前の2つが併記されています。

  例:8番目
    第8版以降 B25J 5/00 (20060101)
    第8版以前 B25J 005/00 ()

第8版以降・以前が併記される基準が分からないため、もしもメイングループ
やサブグループベースで調べる際は以下のように検索を行う必要があります。


例:B25J5/all

  ICL/B25J5/$ OR ICL/B25J005/$


おそらくこのような誤りはIPC第8版移行に伴う暫定的なものと思われますが
いつ解消するかは分からないので、IPCで米国特許を検索する際は十分に注意
してください。


今回は国際特許分類を使った検索式索背について解説しました。次回は米国
特許分類の検索式作成について解説します。


3:特許検索の鉄則━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本号の解説の中から3つを特許検索の鉄則としてまとめます。


■特許検索の鉄則108

 USPTOの特許検索データベースにおいて、特許分類検索で利用可能な
 フィールドは

  ICL  国際特許分類
  CCL  米国特許分類

 の2つがある


■特許検索の鉄則109

 米国特許庁データベースにおいて、国際特許分類IPCのサブクラスベースで
 米国特許検索を行いたい場合は

        ICL/サブクラス$  例:ICL/B25J$

 で調べる($:トランケーション)


■特許検索の鉄則110

 米国特許庁データベースにおいて、IPC第8版への移行が十分にデータベース
 に反映されていないため、メイングループ部分の検索式作成を以下のように
 する

    ICL/サブクラス・メイングループ3桁ぞろえ/$
    OR ICL/サブクラス・メイングループ/$

    例:ICL/B25J005/$ OR ICL/B25J5/$


 ※米国特許庁データベースのヘルプが誤っているので十分注意する


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2007-12-28 : 更新