e-patent > コラム > 身近な特許・意匠 > 龍角散 「らくらく服薬ゼリー」(1)

久しぶりの【身近な特許】シリーズです。

 

年末年始にテレビでCMを見ていたら、ふと

 

龍角散「らくらく服薬ゼリー」などのゼリー状オブラートシリーズ

 

 

 

が目に留まりました。龍角散=のど飴のイメージしかなかったので、なるほどこういう商品も開発・販売しているんだなと興味を持ち、どのような特許が出願されているのか調べてみました。

 

データベースはいつも通り特許電子図書館(IPDL)

 

龍角散の会社名は株式会社龍角散で、「龍角散名義でそれほどたくさんの特許出願はないだろう」と想定して、公報テキスト検索で名義検索を行いました(公報種別は公開特許公報 (公開、公表、再公表))。

 

出願人/権利者=龍角散

 

すると、16件ヒットします。

 

1 特開2009-046412 ペット用経口投与補助剤組成物
2 特開2004-113154 トリプシン修飾マイクロエマルションベクター
3 特開2002-241313 リポソームベクター
4 特開2001-252794 錠剤製造装置及び錠剤製造方法
5 特開2000-016936 ロキソプロフェン・ナトリウム含有固形製剤
6 特開平11-124342 薬剤の嚥下補助飲料
7 特開平09-135672 栄養成分吸収促進剤
8 特開平09-071523 口腔内で崩壊性の速い錠剤
9 特開平08-301782 ペプチド性薬物内包リポソーム経口製剤
10 特開平06-298638 ステロール又はステロールグルコシドで被覆したリポソーム
11 特開平06-194363 採便棒及びヘモグロビンあるいはトランスフェリン検出用検査具
12 特開平05-246894 粘膜吸収促進剤及びそれを含有する粘膜投与用組成物
13 特開平05-076597 花粉症用衛生マスク
14 再表2010/058456 充填容器体
15 再表2009/047859 薬服用粒状ゼリー飲料及びその製造方法
16 再表2005/025622 苦みマスキング粒状ゼリー飲料

 

すると、今回のゼリー状オブラート関連特許として

 

6 特開平11-124342 薬剤の嚥下補助飲料
15 再表2009/047859 薬服用粒状ゼリー飲料及びその製造方法
16 再表2005/025622 苦みマスキング粒状ゼリー飲料

 

が見つかります。先ほどのhttp://www.ryukakusan.co.jp/promotion/index.htmlには、

 

実績
1998年、龍角散は「嚥下補助ゼリー」として世界ではじめて服薬補助ゼリーを開発。それから15年、医師、薬剤師、看護士、介護士の方々から高い評価を得ています。

 

とありますので、らくらく服薬ゼリーの基本出願は

 

6 特開平11-124342 薬剤の嚥下補助飲料

 

であろうと推測できます。

 
 

【発明の名称】薬剤の嚥下補助飲料
【公開番号】特開平11-124342
【公開日】平成11年(1999)5月11日
【出願番号】特願平10-229517
【出願日】平成10年(1998)7月31日
【優先権主張番号】特願平9-218963
【優先日】平9(1997)7月31日
【優先権主張国】日本(JP)
【出願人】株式会社龍角散
【出願人】伊那食品工業株式会社

【要約】
【課題】 種々の薬剤における嚥下を改善し、且つ簡便で通常の飲料水と代替でき、しかも薬効を阻害しない薬剤の嚥下補助飲料及び嚥下方法を提供すること。
【解決手段】 薬剤の嚥下を容易にする補助飲料である。水分と糊料とを含有し、粘性液体状又はゲル状をなす。粘性液体状をなす場合には、20℃における粘度が、1000~25000cPであり、ゲル状をなす場合には、20℃におけるゼリー強度が、10~100g/cm2である。

 
 

出願日が1998年であることからも、この特許がらくらく服薬ゼリー関連基本出願だと分かります。また出願人の欄を見ると、龍角散だけではなく伊那食品工業も共同出願人になっています。伊那食品工業は寒天の製造業者ですので、ゼリーに関する技術については、龍角散は伊那食品工業との共同研究を通じて開発したことが分かります。

 

なお、経過情報を見ると

 

登録記事
3257983 (平13.12.7)
株式会社龍角散、伊那食品工業株式会社

 

となっていますので2001年に登録になっています(存続期間満了日は平30.7.31)。またEspacenetで、この特許のパテントファミリーを調べてみます。

 

Publication number JPH11124342

 

で検索すると

 

1. MEDICINE SWALLOWING-AIDING DRINK

 

がヒットし、パテントファミリーをチェックすると(INPADOC patent familyをクリック)、

 

http://worldwide.espacenet.com/publicationDetails/inpadocPatentFamily?CC=JP&NR=H11124342A&KC=A&FT=D&ND=3&date=19990511&DB=EPODOC&locale=en_EP

 

のようにUS特許しか対応がありません。先ほどのhttp://www.ryukakusan.co.jp/promotion/index.htmlには、

 

日本をはじめ世界各国で特許取得(日本・アメリカ・オーストラリア・EU・中国・香港・韓国他)

 

とありますので、??です。

 

続きはまた今度。