e-patent > メールマガジン > 2009年特許検索競技大会対策講座 > (1) 特許検索競技大会と出題内容

Vol.78(2009-05-18)




■Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 1:特許検索のネタ

 2:特許検索競技大会とは?
  2-1: 特許検索競技大会の歴史と概要
  2-2: 特許検索競技大会の出題内容
  2-3: 特許検索競技大会の配点と採点基準



1:特許検索のネタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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今回からは新シリーズ「特許検索競技大会対策講座」をスタートします。

2008年特許検索競技大会の出題内容を基にして解説していきます。が、対象と
なる技術分野は「電気機械分野」とさせていただきますのでご了承ください。

なお上述のとおり、第1回特許検索競技大会の優勝者であるスマートワークス
・酒井さんが特許検索競技大会の無料レポートや特許検索競技大会対策講座の
無料メルマガを発行されていますので、特許検索競技大会に参加しよう!と決
めている方は、こちらも要チェックです。

本号では特許検索競技大会の概要と昨年の出題内容について紹介します。



2:━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特許検索競技大会とは?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-1:特許検索競技大会の歴史と概要


第1回特許検索競技大会が開催されたのが2007年です。関西特許情報センター
振興会の設立50周年記念事業として企画・開催されました。その後、毎年開催
され今回が3回目の開催となります。今年の特許検索競技大会詳細については
5月20日に発表されますが現時点で分かっているのは


 ◆開催日時  2009年8月29日(土) 12:00-17:00

 ◆開催場所  東京・大阪     (同時開催)
        *昨年は東京は工業所有権情報・研修館の経済産業省別館、
         大阪は大阪工業大学・大宮キャンパス

 ◆参加募集  2009年5月27日(水)〜2009年6月26日(金)
        *参加者決定は先着順
        *昨年は90名(東京・大阪それぞれ45名)

 ◆参加費   無料


です。


具体的な出題内容については「2-2:特許検索競技大会の出題内容」で見ていた
だくとして、どのような条件・流れで回答していくのか見ていきましょう。


<検索するための基礎条件>

 ・問題を解答する際に必要なインターネットでの関連情報検索可能

 ・特許検索データベースはIPDL+商用データベース2種類

  *昨年利用可能であった商用データベース
   ATMS(G-Search)
   CKS WEB
   DocuPatプライベートサーバーサービス
   HYPAT WEB
   HYPAT-i
   JP-NET
   NRIサイバーパテントデスク
   PanapatlicsDSS
   PATOLIS-WEB
   PATOLIS-C/W
   PATOLIS-J
   RIPWAY
   Shareresearch(SRPARTNER)
   StarPAT 

 ・パソコンで利用可能なオフィス系アプリケーションはWord・Excel

 ・電子媒体(USB等)の持ち込みは不可

 ・参考書の持ち込みは可

 ・携帯電話利用不可


<回答時間>

 ・過去の大会では4時間


特許検索データベースはIPDLの他に、好きな商用データベースを2種類選択可
能ということです。商用データベースによってランキング機能や分類検索など
オプション機能が異なると思いますが、個人的には普段よく利用されるデータ
ベースを選択された方が良いと思います。


あと、回答時間は4時間です。

私のような特許調査・分析業者の場合は、検索式・見積書作成の時間(工数)を
強く意識していると思います。決して知的財産部で調査を担当されている方の
工数意識が低いと言っているわけではありませんが、通常はなかなか意識され
ることが少ないのではないでしょうか?

特許検索競技大会に参加されるようであれば、今からでも調査の仕事に対して
時間を2時間なら2時間、4時間なら4時間など締め切りを自分で設定して、練習
すると良いと思います。


続いて実際の出題内容について見ていきましょう。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-2:特許検索競技大会の出題内容


次回以降、以下の2008年電気機械分野の「圧電装置による発電床」を例に取り
解説していきます。私の解説できる技術分野は電気機械なので、化学・ナノテ
クおよびバイオ・医薬・食品分野は本メルマガでは取り上げません、ご了承く
ださい。参考のために、2008年の出題内容の概要は掲載します。


※ちなみにこれまでは電気機械、化学・ナノテク、バイオ・医薬・食品の3分
 野でしたが、今年から電気と機械が分離して、計4分野から選択できるよう
 になっています(開催予告より)。


<2008年電気機械分野>

現在、環境面に配慮したさまざまなエネルギーの開発が進められている。その
ひとつとして、人や物が移動する際に生じるエネルギーを利用して発電する装
置が注目されている。

例えば、路面上に設置される発電機である「発電床」は、装置内に圧電素子が
組み込まれており、路面上を歩行する際に生じる振動エネルギーを電気エネル
ギーに変換している。

JR東日本では、この発電床を東京駅の改札等に設置し、発電効率の向上等を目
指した実験を実施しており、発生した電力により自動改札や電光表示などの駅
設備の電力の一部をまかなうことを目標にしている。

こうした状況の中、貴方が勤務するY社では、車両や人の重力を利用し、圧電
素子によって発電を行う、道路面や床面に設置される装置において、その発電
効率の向上を目指して、研究を進めています。

そして、開発部門の技術者から、知的財産部門に所属する貴方に対して、関連
技術についての特許調査の依頼がありました。

その特許調査に関し、以下の問1〜問3について答えてください。


問1(配点50点)

Y社の、上記した研究に関係する技術として、車両や人の重力を利用し、圧電
素子による発電を行う、道路面や床面に設置される装置であって、発電装置に
バネ等の弾性体を組み合わせた装置を開示している日本特許庁発行の特許文献
(10件)を見つけ、それらの特許(公開)番号及び出願人名を書いてください。

なお、実用新案公報は検索対象にしません。また圧電素子による圧電装置であ
っても道路面や床面に設置されたもの以外は対象外とします。


問2 (配点40点)

問1に記載した特許文献を見出した経緯を次の順序で簡潔に記載してください

 1) 使用した特許検索システム
 2) 検索式及びヒット件数
   (特許文献の確認を行った集合No全てに○をしてください)
 3) 検索式を誘導した手順・理由


問3 (配点10点)

問1、問2の調査過程で得られた知見に基づき、バネ等の弾性体との組み合わせ
以外で、発電床の発電効率の向上策にはどのような手段があり、発電効率向上
策を検討する上でどのような調査を行うべきか、10行程度で提案してください

      ※出所:2008年特許検索競技大会FBセミナー・電気機械分野より



<2008年化学・ナノテク分野 設問概要>

ポリ乳酸にシリコーン系重合体を添加または共重合して使用する、難燃性(UL9
4がV-0以上)を有するポリ乳酸組成物からなるパソコン等家電製品の筐体に
関する技術

        ※出所:2008年特許検索競技大会FBセミナー・概論資料より



<2008年バイオ・医薬・食品分野 設問概要>

海洋生物に存在する赤色系の色素であり、抗酸化性が強く、脂肪を燃焼すると
いわれる化合物を用いて、生態における様々な炎症症状を抑制する作用を主と
する医療用途に関する技術

        ※出所:2008年特許検索競技大会FBセミナー・概論資料より



━━━━━━━━━━━━━━━━━2-3:特許検索競技大会の配点・採点基準


さて、出題内容を理解していただいたところで、配点・採点基準について確認
していきしょう。2008年特許検索競技大会FBセミナーの内容をベースに作成し
ています。


<配点・採点基準>

 *実際の問題は「2-2:特許検索競技大会の出題内容」を参照

 ・配点50点 問1

  作成物 :正解特許番号リスト

  採点基準:−


 ・配点40点 問2

  作成物1 :使用した特許検索システム

  採点基準:−


  作成物2 :検索式及びヒット件数

  採点基準:検索ターム収集活用能力
       ・有用なIPC・FI・Fタームを把握しているか?
       ・表記の揺らぎを考慮しているか?
       ・ノイズを避けるための適切なタームの選択
       ・漏れを減らすために様々な検索タームをカバー
       検索式組み立て力
       ・検索タームの階層構造(上位・下位)
       ・統制語を理解して利用しているか
       ・適切な集合演算
       ・ヒット集合の優先選択と重複削除の工夫


  作成物3 :検索式を誘導した手順・理由

  採点基準:説明のしかた全般
       ・採点者に理解してもらえるような論理的な説明
       課題の分析力
       ・課題を構成する全ての要素概念を把握しているか
       ・必須の要素概念と必要な要素概念を区別しているか
       検索項目の理解度と検索戦略
       ・検索項目の意味の説明があるか
       ・検索戦略の説明があるか
       組み合わせの理解度
       ・必須の要素概念と必要な要素概念を組み合わせる過程の
        説明があるか
       ・分類だけの組み合わせ、または検索タームを組み合わせる
        過程の説明があるか
       漏れ防止と再現率アップの配慮力
       ・漏れ防止のための集合作成の工夫についての説明
       ・上位・下位概念、統制語・非統制語の使い分けの説明


 ・配点10点 問3

  作成物 :分析・提案

  採点基準:分析・提案の意欲
       ・提案する際に分析と仮説を分けて論理的な説明されているか
       具体的な内容説明
       ・必須の要素概念と必要な要素概念の範囲とその周辺技術まで
        拡げて具体的に記述しているか


最後の問3の10点は"ただ依頼者から言われたことだけではなく、依頼者が気づ
かないところ(痒いところ)まで気づいて指摘できる能力があるか?"という、
プラスαの能力を見る問題ですね。


全体の90%にあたる90点はしっかりと依頼された事項について、検索式を立て
適切な特許を抽出することができるか?に配点されています。


それでは、次回以降のメルマガで順次(発行人・野崎なりの)問題への取り組み
方について解説していきます。





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2009-05-21 : 更新