e-patent > コラム > 身近な特許・意匠 > 日清 コツのいらない天ぷら粉

作成 : 2010.04.27

 

 

こつのいらないてんぷらこ♪

 

という軽妙なCMソングが頭に残る「日清 コツのいらない天ぷら粉」。

 

たまたま一昨日、妻と娘と3人で近くのスーパーへ買い物に行って、棚を見ていたら日清・コツのいらない天ぷら粉が目にとまり、何気なくパッケージの裏面を見たら、なんと特許番号が書いてあるではありませんか!

 

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【発明の名称】揚げ物用熱処理小麦粉及びその製造法
【出願番号】特願平6-255043
【出願日】平成6年10月20日(1994.10.20)
【公開番号】特開平8-84568
【公開日】平成8年4月2日(1996.4.2)
【審査請求日】平成10年10月27日(1998.10.27)
【優先権主張番号】特願平6-170758
【優先日】平成6年7月22日(1994.7.22)
【優先権主張国】日本(JP)
【特許番号】特許第3153424号(P3153424)
【登録日】平成13年1月26日(2001.1.26)
【発行日】平成13年4月9日(2001.4.9)
【特許権者】日清製粉株式会社
【特許請求の範囲】
【請求項1】 含有澱粉が実質的にα化されておらず、しかもグルテン・バイタリティが未処理小麦粉のグルテン・バイタリティを100としたときに90~98で、かつグルテン膨潤度が未処理小麦粉のグルテン膨潤度を100としたときに105~155となるように熱処理してなる、揚げ物用熱処理小麦粉。
【請求項2】 飽和水蒸気が導入された加圧状態の密閉系高速攪拌機中に小麦粉を導入し、周速度5~20m/秒、滞留時間2~20秒間の条件で湿熱処理して該小麦粉の品温が65~80℃になるようにしたことを特徴とする揚げ物用熱処理小麦粉の製造法。

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その道の専門家が読むと、これで「あぁ、確かにこういう小麦粉にすればサクサクになるよね」と分かるのかもしれませんが、私のような素人には全く分かりません。となると、実施例を読まないと・・・

 

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天ぷらやフライ等の揚げ物用粉として好適な熱処理小麦粉及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】天ぷら等の揚げ物の衣の食感は、できるだけ歯もろく、サクサクしたものが望まれる。而して、斯かる食感を得るべく従来は、揚げ物用衣液中のグルテンの形成をできるだけ抑制する方法、例えば1)できるだけ蛋白質の少ない小麦粉を使用する、2)冷水又は氷水を用いる、3)水と揚げ物用粉をまぜ合わせるのにまま粉(ダマ)が残る程度に太い箸を使用し、さっくりまぜる、4)溶いた液は冷却し、できるだけ短時間で使い切る、5)プロテアーゼを使用する、等の方法が一般に行なわれていた。
【0003】然しながら、斯かる従来の方法ではそれほど十分なグルテン形成の抑制効果は得られず、未だ満足のいく食感の衣は得られていなかったのが実状であった。特に、従来法によって得られた揚げ物食品は、冷えるとその食感の劣化は顕著で、歯もろさがなくなり、引きが強く、しかもサクサクした感じがなくベトついたものとなってしまうことは避けられなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は斯かる実状に於て、より歯もろく、サクサクした食感の揚げ衣を得ることを目的として種々研究を重ねた結果、特定の軽度の状態に熱変性せしめた小麦粉を揚げ物用粉として用いれば、極めて良い結果、特に冷えても歯もろく、サクサクした食感が失われずに持続することを見い出し、本発明を完成した。

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なるほど。揚げ物中のグルテンがサクサク感を損なう原因なんですね。いろいろ過去にもグルテンを抑制する方法が考えられてきたけれども、日清では新しい方法でグルテンを抑制する方法を見つけたわけです。

 

あとの詳細は明細書を見て確認していただければと思います。

 

でも、身近な商品の特許だと、普段読みなれない分野の公報でも少し親しみが湧きますね。