作成 : 2009.05.10

 

山崎工機という会社をご存知ですか?

 

実は竹輪製造自動化設備で国内シェア90%の企業です。

 

近畿知財戦略本部が取りまとめている「ニッチトップ企業を目指すための知的財産戦略ガイドブック」に掲載されています。

 

山崎工機の取り組みについて

 

竹輪製造装置の特許を見ることはあまりないので、山崎工機がどんなチクワ製造に関する特許を出しているか調べてみました。

 

特許電子図書館IPDL・公報テキスト検索で、単純に

 

  • 種別:特許公報 (公告、特許)、実用新案公報 (公告、実用登録)
  • 要約+請求の範囲:竹輪 or ちくわ or チクワ
  • 出願人/権利者:山崎工機

 

で検索すると5件ヒットしました。

 

  1. 特許3567047 竹輪の焼成装置
  2. 特許2804901 竹輪の焼成装置
  3. 特公平07-028703 竹輪焼成機
  4. 特公平07-028702 竹輪焼成機における串杆収容装置
  5. 実公平07-018312 竹輪焼成機における串杆ストッパー装置

 

例として2件ほど内容を見てみましょう。

 

◆特許2804901 竹輪の焼成装置

 

Yamazaki_2804901

 

【請求項1】串杆が成形機に送りこまれて、該成形機によって串杆に所定量の竹輪材料が捲着され、この状態で串杆がコンベヤ手段によって上方に移送されて、すわり処理室と称される低温処理部に送り込まれ、この部屋で竹輪材料に歯ざわりのよい弾力性、即ちこしが付与され、次に高温処理部に送り込まれ、ここで本格的に焼成され、この焼成された竹輪材料が自然冷却用処理部に移送されてここで自然冷却され、冷却された竹輪材料は串抜き機において串杆と竹輪材料が分離され、竹輪材料は竹輪製品として取り出され、一方串杆は更に串杆戻し用コンベヤによって、冒頭の成形機に送り込まれる、というように串杆がエンドレスな軌道を自動的に繰り返し通るようになっている竹輪の焼成装置において、前記串杆戻しコンベヤは、上記一連の装置よりも低位側の接地面または接地面近くに配設されてなることを特徴とする竹輪の焼成装置。

 

◆特公平07-028703 竹輪焼成機

 

Yamazaki_h07028703

 

【請求項1】 焼成機本体の高温加熱部の適所または高温加熱部の通過直後位置に、該高温加熱部または高温加熱部の通過直後位置上を移送される竹輪材料の加熱温度を感知する熱感知センサーが設けられると共に、該高温加熱部の最終加熱部に竹輪材料を加熱する加熱器と、竹輪材料を挟んで加熱器に対向する保熱カバーとが設けられ、前記熱感知センサーの加熱温度感知信号を受けて前記加熱器と保熱カバーとは竹輪材料に対し上下に遠近移動制御されるよう形成されてなる竹輪焼成機。

 

山崎工機は竹輪製造装置で国内シェア90%を抑えているわけですが、他社の特許動向はどうなのかと思い、以下の式で検索してみました。

 

  • 種別:特許公報 (公告、特許)、実用新案公報 (公告、実用登録)
  • 要約+請求の範囲:竹輪 or ちくわ or チクワ
  • FI:A23L1/325?

 

すると33件がヒットしました(33件中5件が山崎工機です)。どんな特許がヒットしたかは皆様にご確認いただくとして、ここでは私が注目した特許を紹介します。

 

山崎工機の特許にはチーズ入りちくわに関する特許は見られなかったのですが、紀文からチーズ入りチクワに関する特許が出願・権利化されていました。

 

【発明の名称】チーズ入りちくわ及びその製造方法
【出願番号】特願平5-169175
【出願日】平成5年7月8日
【公開番号】特開平7-23747
【公開日】平成7年1月27日
【特許番号】特許第3305436号
【登録日】平成14年5月10日
【発行日】平成14年7月22日
【特許権者】株式会社紀文食品
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状のすりみと、該すりみの内部に同心状に形成された筒状のチーズとを有するチーズ入りちくわ。
【請求項2】 すりみ材料で矩形状すりみシートを形成し、その上に半固形状チーズ材料でチーズシートを形成し、これを上記すりみシートの一端縁から串に巻きつけて筒状として焼成する工程を有しており、すりみシートの上記一端縁とそれに対応するチーズシートの一端縁との間を所定間隔あけて、すりみシートの上記一端縁から串への上記巻き付けのときに、最初の少なくとも一巻はすりみシートの部分だけとなるようにしたことを特徴とするチーズ入りちくわの製造方法。

 

Kibun_3305436

 

請求項1で書かれているチーズ入りチクワを表現したものが上記図面です。

 

ポイントはチーズがチクワと同心円状になっているということです。チクワの中心部にチーズが挿入されているのは当たり前すぎて権利化できないですね(笑)。

 

この権利化されたチーズ入りチクワですが、チーちくという商標を取得して商品化されています(チーちくのウェブサイトはこちら)。

 

【登録番号】第1698545号
【登録日】昭和59年(1984)7月25日
【出願番号】商願昭56-26658
【出願日】昭和56年(1981)4月6日
【称呼】チーチク
【権利者】株式会社 紀文食品

 

Kubun_tm

 

竹輪製造機械というニッチ市場で圧倒的トップシェアを取っている山崎工機から、最後は紀文のチーズ入りちくわの話題になってしまいましたが、特許を調べていると興味が尽きません。面白いものです。竹輪など練物製品に関する特許分析・パテントマップをすると結構面白いかもしれませんね(ビジネス的に利用できるかどうかは別として、ライフワーク的にやってみたいものです)。