e-patent > コラム > 身近な特許・意匠 > モルテンのバスケットボール関連特許

作成 : 2008.11.16

 

先日、会社のバスケットボールクラブに参加してきました。

 

普段、まったく運動という運動をしていないので、運動の結果として以下の症状が出ました
 

  • 右足首を挫いた
  • 両太もも筋肉痛
  • 腰痛
  • 両肩筋肉痛
  • 右足裏の皮が剥れる(縦4cm×横3cm)
  • 喘息

 

普段から運動をしてしないと・・・と強く痛感した次第です。

 

そもそも小学校・中学校と剣道部、高校・大学は合唱だったため、バスケットボールには全くといって良いほど縁はありません。中学や高校のときに、休み時間にやっていたバスケットボールが懐かしくなって参加しました。

 

さて、久々にやったバスケットボールで満身創痍になったわけですが、これを機にちょっとバスケットボール関連の特許を調べてみようと思い、調べてみました。

 

まず、特許電子図書館IPDLの公報フロントページ検索で「バスケットボール」だけで検索すると52件(2008年11月16日現在)ヒットしました。

 

特許を確認してみると、
 

  • バスケットボールそのもの
  • バスケットボールのゴール
  • バスケットボールのゲーム
  • バスケットボール等の得点表示盤

 

などがヒットしました。そんな中で
 

  • 発明の名称:ボール支配率及び攻撃回数表示装置
  • 要約
    【課題】 バスケットボール等の球技において、得点、30秒ルール等を表示する表示部に対戦する2チームのボール支配率および攻撃回数を表示可能とし、観客の感興を高め、ゲームの作戦の変更等に利用可能とする。
    【解決手段】 起立した表示部3と、ゲーム時間の計測用タイマーを作動、停止等するキー5,6、ボール支配チームを指定するチームキー9,10等を配した操作部2とからなり、キー操作にてゲーム開始とともにカウントされたゲーム時間と、両チームにおけるボール支配時間とからボール支配率が算出され、その内容が通常得点等を表示している表示部3に左右2チームに対応して切り換わり表示される。

 


 

  • 発明の名称:競技用表示装置
  • 要約
    【課題】 キー操作による容易なプレー(バスケットボール競技におけるシュート等)数、プレー成功数の入力及び計測を可能にし、プレー成功率を表示させて、練習成果を向上することのできる競技用表示装置を提供する。
    【解決手段】 例えばバスケットボール競技用の表示装置において操作部2と起立する表示部3を備え、操作部のシュート入力キーおよびシュート成功キーが、シュートするごとにまたシュートが成功する毎に計測者にて押され、そのシュート数、成功数、かつその除算した結果であるシュート成功率が、表示面5に自動的に表示されることで、プレイヤーはその練習の成果を正確に把握でき、効率的に練習及びシュート技力を向上することができるようになる。また、シュート入力キー、シュート成功数キーの誤操作入力も、シュート修正キー、シュート成功修正キーにて容易に訂正でき、正しい入力がなされ、正しい数値が表示される。

 

という特許を出願しているモルテンという会社が目に留まりました。何で?と言われると答えに窮するのですが、何となくです。

 

ただ、このモルテンという会社、調べてみるとスゴイ会社であることが分かりました(バスケットボールをやっている人であれば既に有名な会社であることは知っているのかもしれません)。

 

◆モルテン(ウェブサイト)
 

  • 売上高:329億円(2007年9月期)
  • 従業員数:680名
  • 事業内容:競技用ボールおよびスポーツ関連機器製造・販売、自動車精密ゴム・樹脂製品製造・販売、工業用精密ゴム・樹脂製品製造・販売、医療用具・健康機器製造・販売
  • 創立の背景:明星ゴム工業(現・ミカサ)を退社した技術者らにより創立

 

バレーボールやサッカー、バスケットボールのボールは世界の試合で公式球として利用されることも多いようです。さらにアディダスに技術提供しているとのことです。

 

現社長の民秋氏のインタビュー記事が以下の掲載されています。
 

中国新聞:わが夢(2007/9/27~10/03)

 

アディダスとの提携の場面についてもインタビューで触れています。

 

さて、そのアディダスに技術提供していることで、モルテンとアディダスの共同出願案件について調べてみました。すると公開特許で5件、登録特許で3件ありました。
 

  1. 特開2008-080176 球技用ボールおよび該球技用ボールを製造するための方法
  2. 特開2004-174256 ボールの構成片を製造する方法およびボールを製造する方法
  3. 特表2006-510441 球技用ボールおよび該球技用ボールを製造するための方法
  4. 特表2003-531700 球技用ボールおよびその製法
  5. 再表99/061114 球技用ボール
  6. 特許4157023 ボールの構成片を製造する方法およびボールを製造する方法
  7. 特許4155708 球技用ボール
  8. 特許4081087 球技用ボールおよび該球技用ボールを製造するための方法

 

登録になった特許について内容を見てみましょう。

 

◆特許4157023 ボールの構成片を製造する方法およびボールを製造する方法

【発明の名称】ボールの構成片を製造する方法およびボールを製造する方法
【出願番号】特願2003-395107
【出願日】平成15年11月26日
【公開番号】特開2004-174256
【公開日】平成16年6月24日
【審査請求日】平成16年10月7日
【優先権主張番号】10255092.1
【優先日】平成14年11月26日
【優先権主張国】ドイツ(DE)
【特許番号】特許第4157023号
【登録日】平成20年7月18日
【発行日】平成20年9月24日
【特許権者】株式会社モルテン, アディダス インターナショナル マーケティング ベー ヴェー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールを製造するために予め用意される三次元構成片を製造する方法であって、
a. 表皮材および少なくとも1つの裏打ち材を提供する工程と、
b. 前記表皮材を、前記ボールの表面の区画に実質的に一致する形状に三次元成形する工程と、
c. 前記裏打ち材を、湾曲した内面を有し、前記ボールの表面の前記区画に実質的に一致する形状に三次元成形する工程と、
d. 前記表皮材を最初に三次元成形した後、前記裏打ち材に接合して、構成片を提供する工程、
の各工程を有してなることを特徴とする方法。

◆特許4155708 球技用ボール

【発明の名称】球技用ボール
【出願番号】特願2000-550565
【出願日】平成11年5月20日
【国際出願番号】PCT/JP1999/002667
【国際公開番号】WO1999/061114
【国際公開日】平成11年12月2日
【審査請求日】平成17年7月21日
【優先権主張番号】特願平10-141882
【優先日】平成10年5月22日
【優先権主張国】日本国(JP)
【特許番号】特許第4155708号(P4155708)
【登録日】平成20年7月18日
【発行日】平成20年9月24日
【特許権者】株式会社モルテン, アディダス インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧搾空気が封入された球形中空体の弾性チューブと、
該チューブ表面全面に形成された補強層と、
該補強層上に直接またはカバーゴム層を介して接着された複数枚の皮革パネルとを備えた球技用ボールにおいて、
前記皮革パネルは、その周縁部が前記弾性チューブ側に折り曲げられる折り曲げ部を有し、前記皮革パネルの折り曲げ部にて囲まれた前記皮革パネルの裏面に、厚さを調整する厚さ調整部材が接着せしめられ、
前記皮革パネルの折り曲げ部に設けられる接合部において、隣接する皮革パネルと接着されてなる球技用貼りボール。

◆特許4081087 球技用ボールおよび該球技用ボールを製造するための方法

【発明の名称】球技用ボールおよび該球技用ボールを製造するための方法
【出願番号】特願2004-562005
【出願日】平成14年12月20日
【公表番号】特表2006-510441
【公表日】平成18年3月30日
【国際出願番号】PCT/JP2002/013351
【国際公開番号】WO2004/056424
【国際公開日】平成16年7月8日
【審査請求日】平成17年9月8日
【特許番号】特許第4081087号
【登録日】平成20年2月15日
【発行日】平成20年4月23日
【特許権者】株式会社モルテン, アディダス インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球技用のボールを製造するための方法であって、
前記ボールが、
(a)ブラダーの中に空気を導入するためのバルブを含む前記ブラダーと、
(b)複数の織布片を備える前記ブラダーの外面に位置する織布層であって、前記複数の織布片が内向きに折られる周辺端縁を有し、隣接する織布片の前記周辺端縁がミシンで縫い合わされ、その結果前記複数の織布片が球状を有するように接合され、バルブ孔が前記複数の織布片の第1の部分に形成され、前記織布層を裏返すため、および前記ブラダーを収容するための仕舞い孔が前記複数の織布片の第2の部分に形成され、前記複数の織布片の第2の部分が前記複数の織布片の第1の布地に対向して位置してなる織布層と、
(c)前記織布層の外面に位置する表皮層であって、複数のパネルを備える前記表皮層とを備え、
前記方法が、
(i)2つの隣接する織布片を重ね合わせ、ミシンで前記重ね合わされた織布片の周辺端縁に沿って縫い付け、前記織布層の外側に前記周辺端縁を位置し、球形の織布層を形成するためにすべての織布片が接合されるまで反復することにより前記織布層を形成する工程と、
(ii)前記周辺端縁を前記織布層の内側に位置するために、前記仕舞い孔を通して前記織布層を裏返しにする工程と、
(iii)前記織布層の中の前記仕舞い孔を通して前記織布層の中に前記ブラダーを挿入する工程と、
(iv)前記仕舞い孔を閉じる工程と、
(v)前記織布層の外面に前記表皮層を形成する工程と
を含む方法。

 

モルテンのウェブサイトに掲載されている企業理念には
 

モルテンは、常に特許を有する革新商品をグローバル市場に提供し続け、これをベースに適切なマーケティング活動を実施する会社です。

 

私たちは、世界中のお客様に、お客様が必要とする全ての要望を提供できることをモットーに、オリジナル技術に基づく商品を世界各地で生産し、お客様にお届けしています。

 

スポーツ用品、医療・福祉関連用品、自動車部品、親水用品、建設資材など幅広い分野で活動しています。

 

特に健康作り企業として、世界最大のボール及び球技関連用具の総合メーカーを目指しています。
また、高齢化社会を側面からサポートする介護用品(介護ベッド・体圧分散式マットレス等)にも力を入れています。

 

世界中の社員が、グローバル市場で自立し生き生きと仕事に挑戦。そしてお客様と共に自分自身の生活を楽しんでいます。

 

とあります。自社のコア領域について、適切なアライアンス関係(アディダスへの技術提供)を構築し、必要な特許権利化を行っていく。そして、自社のコア技術領域をベースに、多角化を図る。非常にセオリー通りの展開を、地道に行っている企業だと感じました。

 

こういう企業には、これからもどんどんと頑張っていってほしいと思います。