e-patent > コラム > 身近な特許・意匠 > サスライトのSASTIK 0MB II (サスティック)

作成 : 2008.10.05

 

SASTIK(サスティック)ってご存知ですか?

 

見た目はUSBメモリなんですが、これをPCに挿入するだけで自分のPC環境やデータを手軽に持ち運ぶことができるんです。SASTIKをPCに入れると、自動的に会社のサーバや自分のPCに接続して、認証を済ませてメールやファイルサーバにアクセスすることができます。

 

実は先日あるセミナーに参加したところ、キャンペーン中ということで、このSASTIK 0MB IIをもらいました。

 

 

パッケージの裏面を見たところ「※本製品は特許出願中です」と書いてあったので、調べてみました。

 

このSASTIKを販売しているのは株式会社サスライト会社概要を見てみると、保有特許という項目があり

 

特許 第3767818号 「着脱式デバイス及びプログラムの起動方法」

 

とあります。なるほど1件特許権利化済なんですね。

 

この会社のことについてもう少し調べてみました。というのは、ベンチャー企業(サスライトは2004年創業)の場合、会社名が創業当時と変更されていたり、キーとなる発明者の名前で特許出願されている場合があります。テクノロジー系のベンチャー企業の場合、創業者社長が技術者であることがほとんどですが。

 

株式会社サスライトおよびサスライト社長である植松氏について調べたところ、下記のようなウェブサイトがありました。

 

 

これらのウェブサイト情報からサスライトは現在の植松社長が大学時代に創業した会社であり、創業当時は有限会社ユミックスであったことが分かりました。

 

情報としては

 

  • 出願人/権利者:サスライト or ユミックス
  • 発明者:植松真司

 

の2つが入手できました。こちらの情報を基に特許電子図書館IPDL・公報テキスト検索で検索を行ってみました。公報種別は「公開特許公報(公開・公表・再公表)」と「特許公報(公告・登録)」すると、以下の7件がヒットします。

 

  1. 特開2006-079446 サービス提供サーバ
  2. 特開2006-072952 デバイスを用いたネットワークサービスシステム
  3. 特開2005-251030 着脱式外部記憶装置、自動起動プログラム、および中継サーバ
  4. 特開2005-234809 着脱式外部記憶装置および自動起動プログラム
  5. 特開2004-206660 着脱式デバイス、制御回路、制御回路のファームウェアプログラム、制御回路における情報処理方法及び回路設計パターン
  6. 特許3767818 着脱式デバイス及びプログラムの起動方法
  7. 特許3766429 着脱式デバイス

 

赤太字の登録特許はサスライトの会社概要ウェブページに掲載されていた特許です。

 

ひょっとすると、サスライトやユミックス名義以外でも特許出願している可能性もありますので、社長名だけでの検索も念のために実施しておきます。

 

  • 発明者:植松真司

 

すると、

 

  1. 特開2006-079446 サービス提供サーバ
  2. 特開2006-072952 デバイスを用いたネットワークサービスシステム
  3. 特開2006-018848 着脱式デバイス
  4. 特開2005-251030 着脱式外部記憶装置、自動起動プログラム、および中継サーバ
  5. 特開2005-234809 着脱式外部記憶装置および自動起動プログラム
  6. 特開2004-206660 着脱式デバイス、制御回路、制御回路のファームウェアプログラム、制御回路における情報処理方法及び回路設計パターン
  7. 特開2004-164028 着脱式デバイス及びログイン方法
  8. 特開2004-151785 着脱式デバイス及びプログラムの起動方法
  9. 特開2003-178017 プログラム内蔵のUSBデバイス
  10. 特開平05-275473 電界効果トランジスタ及びその製法
  11. 特開平05-144731 半導体装置
  12. 特許3767818 着脱式デバイス及びプログラムの起動方法
  13. 特許3766429 着脱式デバイス

 

の13件がヒットします。No.10~11は別の植松氏でしたが、1回目の検索ではヒットしないNo.3やNo.7~No.9が新しく見つかりました。このNo.3やNo.7~No.9の特許は1件がエニワン(any 1)という会社名義での出願、残り3件は植松氏が出願人となっている出願でした。

 

上述のとおり、ベンチャー企業の場合は社長が発明者・出願人になったり、(お金を出したり、開発を協力した)別の会社名義で出願していたりしますので、注意が必要です。

 

総合すると、サスライトの特許出願・登録特許は以下のようになります。

 

◆特許出願

 

  1. 特開2006-079446 サービス提供サーバ
  2. 特開2006-072952 デバイスを用いたネットワークサービスシステム
  3. 特開2006-018848 着脱式デバイス
  4. 特開2005-251030 着脱式外部記憶装置、自動起動プログラム、および中継サーバ
  5. 特開2005-234809 着脱式外部記憶装置および自動起動プログラム
  6. 特開2004-206660 着脱式デバイス、制御回路、制御回路のファームウェアプログラム、制御回路における情報処理方法及び回路設計パターン
  7. 特開2004-164028 着脱式デバイス及びログイン方法
  8. 特開2004-151785 着脱式デバイス及びプログラムの起動方法
  9. 特開2003-178017 プログラム内蔵のUSBデバイス

 

◆登録特許

 

  1. 特許3767818 着脱式デバイス及びプログラムの起動方法
  2. 特許3766429 着脱式デバイス

 

タイトルから考えると、No.3~No.9がだいたいSASTIK(サスティック)関連特許であることが分かります。No.1やNo.2の特許はネットワークサービス関連です。

 

まずはSASTIK関連特許で登録となっている2件について見てみましょう。

 

【発明の名称】着脱式デバイス及びプログラムの起動方法
【出願番号】特願2002-313425
【出願日】平成14年10月28日
【公開番号】特開2004-151785
【公開日】平成16年5月27日
【特許番号】特許第3767818号
【登録日】平成18年2月10日
【発行日】平成18年4月19日
【特許権者】株式会社サスライト

【要約】
【課題】使い勝手の優れた着脱式デバイス及びプログラムの起動方法を提供すること。
【解決手段】ハブ分け部31は、単一の複合デバイス2において、コンピュータ1側とのデータ授受を、複数のデバイスに割り振る作用を果たすことで、複数の機能を容易に実現する。認識制御部32は、USBに接続された際に、ホスト側からの機器の種類の問い合わせ信号に対し、CD-ROMである旨の信号を擬似的に返信する。装着検出用の常駐プログラムをコンピュータ側に予めインストールしておかなくても、デバイス装着時に、スクリプトに記述されたプログラム実行など所望の処理が自動実行される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主な記憶装置としてROM又は読み書き可能な記憶装置を備えた着脱式デバイスであって、
所定の種類の機器が接続されると、その機器に記憶された自動起動スクリプトを実行するコンピュータの汎用周辺機器インタフェースに着脱され、
前記汎用周辺機器インタフェースに接続された際に前記コンピュータからの機器の種類の問い合わせ信号に対し、前記所定の種類の機器である旨の信号を返信するとともに、前記汎用周辺機器インタフェース経由で繰り返されるメディアの有無の問い合わせ信号に対し、少なくとも一度はメディアが無い旨の信号を返信し、その後、メディアが有る旨の信号を返信する手段と、
前記着脱式デバイスの中の前記ROM又は読み書き可能な記憶装置内に設けられた複数の記憶領域の各々を用いる仮想的なディスクドライブである複数の単位デバイスと、
コンピュータ側とのデータ授受を、前記各単位デバイスに割り振るハブ手段と、
を備えたことを特徴とする着脱式デバイス。

 

 

【発明の名称】着脱式デバイス
【出願番号】特願2005-226629
【出願日】平成17年8月4日
【分割の表示】特願2002-313425の分割
【原出願日】平成14年10月28日
【公開番号】特開2006-18848
【公開日】平成18年1月19日
【特許番号】特許第3766429号
【登録日】平成18年2月3日
【発行日】平成18年4月12日
【特許権者】株式会社サスライト

【要約】
【課題】使い勝手の優れた着脱式デバイス及びプログラムの起動方法を提供すること。
【解決手段】ハブ分け部31は、単一の複合デバイス2において、コンピュータ1側とのデータ授受を、複数のデバイスに割り振る作用を果たすことで、複数の機能を容易に実現する。
認識制御部32は、USBに接続された際に、ホスト側からの機器の種類の問い合わせ信号に対し、CD-ROMである旨の信号を擬似的に返信する。
装着検出用の常駐プログラムをコンピュータ側に予めインストールしておかなくても、デバイス装着時に、スクリプトに記述されたプログラム実行など所望の処理が自動実行される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主な記憶装置としてROM又は読み書き可能な記憶装置を備えた着脱式デバイスであって、
所定の種類の機器が接続されると、その機器に記憶された自動起動スクリプトを実行するコンピュータの汎用周辺機器インタフェースに着脱され、
前記ROM又は読み書き可能な記憶装置に、前記自動起動スクリプトを記憶する手段と、
前記汎用周辺機器インタフェースに接続された際に前記コンピュータからの機器の種類の問い合わせ信号に対し、前記所定の種類の機器である旨の信号を返信するとともに、前記汎用周辺機器インタフェース経由で繰り返されるメディアの有無の問い合わせ信号に対し、少なくとも一度はメディアが無い旨の信号を返信し、その後、メディアが有る旨の信号を返信して、前記コンピュータに前記自動起動スクリプトを起動させる手段と、
前記コンピュータから前記ROM又は読み書き可能な記憶装置へのアクセスを受ける手段
を備えたことを特徴とする着脱式デバイス。

 

2件目の登録特許(特許第3766429号)は1件目の登録特許(特許第3767818号)の分割特許です。

最近公開された2件はいずれもサービスに関連するものでした。出願内容は以下のようになっています。

 

【発明の名称】デバイスを用いたネットワークサービスシステム
【出願番号】特願2004-293105
【出願日】平成16年9月5日
【公開番号】特開2006-72952
【公開日】平成18年3月16日
【出願人】有限会社ユミックス
【要約】
【課題】所定のネットワークサービスを利用でき、さらにユーザ同士が文書情報を共有でき、事前設定をユーザが行うことなくメールを利用でき、さらに効果的な広告表現を実現する。
【解決手段】着脱式デバイスを接続可能なユーザコンピュータは、所定の種類の機器が接続されると、所定のクライアントプログラムを実行する機能を有し、主な記憶装置に個々のデバイスを一意に識別可能な情報であるデバイスIDを含むデバイス情報と、認証情報と、を格納し、センターサーバーシステムは、クライアントから送信される前記デバイス情報と前記認証情報に応じて所定の認証処理を実施した後、前記クライアント情報の内容に応じてグラフィック要素に予め対応した前記センターサーバーシステム、または、前記その他サーバに、一部または全ての情報を送信することによって、送信先のサーバにおいて所定の認証処理を実施できるシステムを提供する。

 

 

【発明の名称】サービス提供サーバ
【出願番号】特願2004-264275
【出願日】平成16年9月10日
【公開番号】特開2006-79446
【公開日】平成18年3月23日
【出願人】有限会社ユミックス
【要約】
【課題】 USBメモリを認証キーとして、そのUSBメモリが装着されたユーザ端末へ各種サービスを提供するサービス提供サーバを提供する。
【解決手段】
サービス提供サーバ4は、ユーザ端末1からアイコンの登録要求があった際に、ユーザ端末1から証明書データと、パスワードおよびユーザIDが送信されると、パスワードおよび当該ユーザIDを基にユーザ認証を行い、ユーザ認証の結果、サービス提供可能なユーザであると判定すると、証明書データとパスワードおよびユーザIDを関連付けて記憶し、中継サーバ3またはユーザ端末1に対して、ユーザ所望のサービスへアクセスするためのリンク情報を含むアイコンを送信する。

 

注目したいのは2件目の特開2006-79446(サービス提供サーバ)です。

 

実は今回セミナーのキャンペーンの一環でもらったSASTIKはNTTコミュニケーションズのサービスであるCOCOA(ココア)ギガストレージへ接続するためのSASTIKでした。25MBまでは無料でオンラインストレージが利用できるとこのことです。

 

このCOCOAギガストレージとSASTIKの連携サービスを保護するための特許が特開2006-79446だと読み取れます。なおこの特許は現在審査中です。

 

ちなみにSASTIKの基本特許である
 

特許 第3767818号 「着脱式デバイス及びプログラムの起動方法」

 

については以下のような海外出願も行っています。
 

AU2003301629A1
CN1708746A
US2006190941A1
WO2004038584A1

サスライトのように、自社独自技術を特許権や商標権(SASTIK)のような知的財産権として保護して市場拡大を目指している企業を見ると応援したくなりますね。今後の事業展開に注目です。