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作成 : 2007.10.14

 

ロボット、というとホンダのASIMOSONYのAIBOを思い浮かべます。

 

今回取り上げるのはASIMOやAIBOとはちょっと異なるロボット、ロボットというよりも人間とロボットが一体化したロボットスーツの「HAL」です。
 

ちなみにHALはHybrid Assistive Limbの略で、直訳で「複合型補助的四肢」という意味

 

ロボットスーツ「HAL」は筑波大学教授でもある山海嘉之氏によって開発されました。山海氏は研究成果を普及するためにCYBERDYNE(サイバーダイン)という会社も設立しています。

 

開発ストーリーなどはTech総研のエンジニアの星に掲載されています。
 

 

今回はこのHALの開発者・山海氏の特許について紹介します。
 

特許電子図書館IPDLの公報テキスト検索で以下のように検索すると、
 

  • 種別: 公開特許公報、特許公報、公開実用新案公報、実用新案公報
  • 発明者: 山海嘉之

 

15件がヒットします。
 

  1. 特開2007-265017 高齢者安否情報生成システム
  2. 特開2007-252514 回動調整装置及び回動装置の制御方法
  3. 特開2006-204426 装着式動作補助装置及び制御用プログラム
  4. 特開2005-253650 装着式動作補助装置、装着式動作補助装置のキャリブレーション装置、及びキャリブレーション用プログラム
  5. 特開2005-230099 装着式動作補助装置、及び装着式動作補助装置における駆動源の制御方法、及びプログラム
  6. 特開2005-095561 装着式動作補助装置、装着式動作補助装置の制御方法および制御用プログラム
  7. 特開2003-070758 管疾患検査装置およびバイパス血管診断装置
  8. 特開2003-019197 人工心臓用ポンプの異常判定方法及び異常判定装置
  9. 特開2002-345787 血栓計測装置
  10. 特開2002-224066 心機能評価装置
  11. 特開平10-021405 回路パターンの外観検査方法および装置
  12. 特開平10-021404 プリント配線板の回路パターン読み取り入力装置
  13. 特許3882069 人工心臓用ポンプの異常判定方法及び異常判定装置
  14. 特公平06-083723 透析効率制御装置
  15. 特公平06-000149 動静脈シャント部の血圧及び、血液粘度の連続測定装置

 

HAL関係の特許は「装着式動作補助装置」かな、と予想がつきます。それ以外に血管や人工心臓といった医学関連の出願が目立ちます。

 

実は山海氏は
 

ロボットスーツ実用化に欠かせない脳・神経科学、行動科学、ロボット工学、心理学、生理学、ITなどが融合した「CVBERNICS(サイバニクス)」という学術分野 

の開拓を推進(robonableより転載)
 

ロボット開発を行うには、工学だけでなく、人間の生身について知る必要があると、医学博士も取得することを真剣に考えたという。(Tech総研より転載)

 

のように、ロボットスーツ開発には医学分野の知識が必要との認識でした。そのため、HAL開発に先駆けて「血管疾患検査」や「人工心臓用ポンプ」など医学関係の特許出願を行っていたと考えられます。

 

これまで山海氏が出願しているHAL関連特許から1件紹介します。

 

■ロボットスーツHAL関連特許

 

Hal_2005095561【発明の名称】装着式動作補助装置、装着式動作補助装置の制御方法および制御用プログラム
【出願番号】特願2004-45354
【出願日】平成16年2月20日
【優先権主張番号】特願2003-298038
【優先日】平成15年8月21日
【公開番号】特開2005-95561
【公開日】平成17年4月14日
【出願人】山海 嘉之

【要約】
【課題】 装着者に与える違和感を可及的に抑えることができる装着式動作補助装置、装着式動作補助装置の制御方法および制御用プログラムを提供する。
【解決手段】 装着者の動作を補助あるいは代行する装着式動作補助装置は、装着者1に対して動力を付与するアクチュエータ201を有した動作補助装着具2と、装着者1の生体信号を検出する生体信号センサ221と、装着者1の筋骨格系を動作させるための神経伝達信号および筋活動に伴う筋電位信号を、生体信号センサにより検出された生体信号から取得する生体信号処理手段3と、生体信号処理手段3により取得された神経伝達信号および筋電位信号を用い、装着者1の意思に従った動力をアクチュエータ201に発生させるための指令信号を生成する随意的制御手段4と、随意的制御手段4により生成された指令信号に基づいて、神経伝達信号に応じた電流および筋電位信号に応じた電流をそれぞれ生成し、アクチュエータ201に供給する駆動電流生成手段5とを備える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の動作を補助あるいは代行する装着式動作補助装置であって、
前記装着者に対して動力を付与するアクチュエータを有した動作補助装着具と、
前記装着者の生体信号を検出する生体信号センサと、
前記装着者の筋骨格系を動作させるための神経伝達信号および筋活動に伴う筋電位信号を、前記生体信号センサにより検出された生体信号から取得する生体信号処理手段と、
前記生体信号処理手段により取得された神経伝達信号および筋電位信号を用い、前記装着者の意思に従った動力を前記アクチュエータに発生させるための指令信号を生成する随意的制御手段と、
前記随意的制御手段により生成された指令信号に基づいて、前記神経伝達信号に応じた電流および前記筋電位信号に応じた電流をそれぞれ生成し、前記アクチュエータに供給する駆動電流生成手段とを備えることを特徴とする装着式動作補助装置。