e-patent > コラム > 身近な特許・意匠 > UFOキャッチャー・クレーンゲームの特許・商標 (第2回:特許編〜UFOキャッチャー・クレーンゲーム関連特許を探せ〜)

作成 : 2007.01.20

 

前回の記事では、UFOキャッチャーの商標検索の方法について紹介しました。その結果、UFOキャッチャーの商標を持っているのはセガであることが分かりました。

 

今回はUFOキャッチャー・クレーンゲーム関連特許を探していきましょう。

 

UFOキャッチャーの特許分類

 

UFOキャッチャー・クレーンゲームの特許分類を探していく場合、大きく2つのアプローチが考えられます。

 

  1. 公報テキスト検索公開特許公報フロントページ検索で、ドンピシャリのキーワードを入力して、ヒットした公報の特許分類を確認していく
  2. パテントマップガイダンスPATOLISサーチガイドでキーワードから特許分類を探していく

 

今回はPATOLISサーチガイドで探してみましょう。

 

ご存知の通り、日本の特許分類にはIPC(国際特許分類)、FI(ファイル・インデックス)、Fタームの3つがあります。

 

IPCは定期的に版・バージョンが変わっているため、版の違いによる分類の変更を考慮しなければいけません。その点、FIやFタームは版の違いによる変更を考慮する必要がありません。

 

※正確に言うと全く考慮しなくても良いというわけではありません。FI、Fタームも定期的に追加・廃止がされています(特許庁ウェブサイト参照:FI改正情報テーマ改廃情報)

 

今回は「UFOキャッチャー・クレーンゲームのFI」を探していきましょう。

 

PATOLISサーチガイドFI記号編でキーワード「ゲーム」と入力します。

 

すると、上から3番目に

 

A63 《クラス》スポ-ツ;ゲ-ム;娯楽

 

というクラスが見つかります。さらに次のページを見ていくと、

 

A63F 9/00 《メイングル-プ》その他の各種ゲ-ム(2次元以上の表示ができるデイスプレイを用いた電子ゲ-ム関するもの13/00;その他の各種スポ-ツゲ-ムA63B 67/00)[7]

 

というメイングループがあり、その下位分類として

 

A63F 9/00 504 ・技巧を要するゲ-ム(身体使用A63B67/08,バランスゲ-ムA63F9/26,積み重ね高さを競うゲ-ムA63F9/28)
A63F 9/00 507 ・・釣り上げゲ-ム

 

が見つかります。次にA63F9/00 507の下位にUFOキャッチャー関連の特許分類として、もっと適切な分類があるか探します。

 

今度はFIコードに「A63F9/00 507」と入力すると、

 

  1. A63F 9/00 507 ・・釣り上げゲ-ム
  2. A63F 9/00 507A ・・・手持ち釣りざおを使用
  3. A63F 9/00 507B ・・・釣り針に磁石を有するもの
  4. A63F 9/00 507C ・・・クレ-ン式
  5. A63F 9/00 507D ・・・捕獲する口が閉じるもの
  6. A63F 9/00 507Z ・・・その他のもの

 

と表示され、A63F9/00,507Cがクレーン式の釣り上げゲームということで、最もUFOキャッチャーに合致した特許分類であることが分かります。

 

しかし、実は注意深く見ると、廃止日:1999年5月1日、と書かれています。

 

これは「このFIは1999年5月1日以降付与していません」ということを意味しています。1999年5月1日よりも昔の特許を調べたいのであれば、A63F9/00,507Cだけでも十分ですが、最近の特許まで含めて検索したい場合、別の特許分類も追加しなければいけません。

 

他の分類を探す前に、もう一度A63F9/00のリストを見てみましょう。

 

よく見ると下の方に、

 

  • A63F 9/30 ・対象物をひつかける,または閉じこめる捕獲ゲ-ム;例.釣りゲ-ム[7]
  • A63F 9/30 501 ・捕獲ゲ-ム(H11.5新設)
  • A63F 9/30 501A つかみ取りするもの(H11.5新設)
  • A63F 9/30 501B すくい取りするもの(H11.5新設)
  • A63F 9/30 501C ・金魚すくい〔紙によるもの〕(H11.5新設)
  • A63F 9/30 501D 落下物、上方の物を開口に受け入れるもの(H11.5新設)
  • A63F 9/30 501E タイミングを必要とする捕獲ゲ-ム(H11.5新設)
  • A63F 9/30 501F ・容器、皿から捕獲するもの(H11.5新設)
  • A63F 9/30 501Z その他のもの(H11.5新設)
  • A63F 9/30 502 ・・釣り上げゲ-ム(H11.5新設)
  • A63F 9/30 502A 手持ち釣りざおを使用(H11.5新設)
  • A63F 9/30 502B ・釣り針に磁石を有するもの(H11.5新設)
  • A63F 9/30 502C クレ-ン式(H11.5新設)
  • A63F 9/30 502D ・捕獲する口が閉じるもの(H11.5新設)
  • A63F 9/30 502Z その他のもの(H11.5新設)

 

という分類があります。しかもカッコ内に平成11年(1999年)5月新設と書いてありますので、A63F9/00,507Cが廃止された後は、新しく設置されたA63F9/30,502Cを付与していることが分かります。

 

よって、UFOキャッチャー・クレーンゲーム関連特許を検索するためには

 

  • A63F9/00,507C
  • A63F9/30,502C

 

の2つのFIを用いれば良いことが分かりました。

 

■UFOキャッチャー関連特許

 

それでは見つけたFI(ファイル・インデックス)を使ってUFOキャッチャー関連特許を調べてみましょう。

 

特許電子図書館(IPDL)の公報テキスト検索ページに行きます。

 

※別に特許分類検索ページでも良いのですが、個人的に公報テキスト検索ページが最も好きなので。

 

検索項目選択のプルダウンメニューから「FI」を選び、ブランクに「A63F9/00,507C A63F9/30,502C」と入力します。FI記号の間にはスペースを入れてあります。

 

公開特許を調べたい場合は公報種別を公開特許公報 (公開、公表、再公表) に、登録特許を調べたい場合は特許公報 (公告、特許) を選択します。

 

試しに公開特許公報 (公開、公表、再公表)で検索すると234件がヒットしました(2007年1月14日現在)。

 

何件か中身を見てみると・・・

 

Ufo01

【発明の名称】景品取得ゲーム機
【出願番号】特願2006-206664
【出願日】平成18年7月28日
【公開番号】特開2006-280994
【公開日】平成18年10月19日
【出願人】株式会社セガ
【要約】
【課題】 操作手段に正面に位置しているプレイヤーが景品取得プレイを楽な姿勢で行なうことが出来る景品取得ゲーム機を提供することにある。
【解決手段】 複数の景品が景品支持面に載置され、前記景品11を把持する景品把持装置26が、景品投入開口12まで移動した後、前記景品11を落下させてプレイヤに前記景品11を取得させる景品取得ゲーム機であって、横行用モータを回転させる第一操作ボタン15と、前記縦行用モータを回転させる第二操作ボタン16と、前記第一操作ボタン15と前記第二操作ボタン16を含み、前記筐体正面に取り付けられ、前記筐体正面に対し水平方向に移動自在に取り付けられている操作卓54とを備えた景品取得ゲーム機。

 

Ufo02

【発明の名称】景品獲得ゲーム機の把持アーム
【出願番号】特願2005-38483
【出願日】平成17年2月15日
【公開番号】特開2006-223406
【公開日】平成18年8月31日
【出願人】有限会社楠野製作所
【要約】
【課題】クレーンゲーム機の遊戯性を高め、ゲームセンター等の娯楽施設の負担も低減できる把持アームを提供する。
【解決手段】クレーンゲーム機のキャッチャーに備えられる把持アームを、把持アーム上部と把持アーム下部の少なくとも2部品にて構成し、これらの相互角度を調整自在に連結した構造とした。また、前記相互角度はあらかじめ設定された少なくとも2つ以上の角度のうち1つの角度に固定可能に構成してもよい。前記相互角度を2つ以上の角度のうち1つの角度に固定可能とする場合は、角度固定穴にピン状態を挿入する、非円形穴と非円形突起を嵌合する、歯車状体と突起部をかみ合わせる、当接面の突起部(凹凸状構造)をかみ合わせるなどの方法を使用できる。

Ufo03【発明の名称】クレーンゲーム機
【出願番号】特願2004-306300
【出願日】平成16年10月21日
【公開番号】特開2006-116035
【公開日】平成18年5月11日
【出願人】株式会社タイトー
【要約】
【課題】 一度に高額のゲーム料金を払い込み、何度もゲームを行うことが予定されるプレイヤーに対しては優遇措置が与えられると共に、ゲーム料金支払いのためにプレイヤーが多数のコインを予め用意したり、両替を行なったりする必要のないクレーンゲーム機を提供することを課題とする。
【解決手段】 ゲーム料金徴収装置が、一時に投入される金額が所定額を超過したとき信号を発信する高額料金検出装置(6e)を具備し; 景品キャッチャー(3A,3B,3 )、景品キャッチャー移動機構(4)及びそれらの制御装置(5)が、第一作動状態と、当該第一作動状態よりもプレイヤーに対して有利な第二作動状態とで、作動できるように構成されており; 上記高額料金検出装置(6e)が発信した信号に応動して、上記景品キャッチャー等を、その第一作動状態から第二作動状態へと切り換え得る作動状態切換え装置(5a)が設けられたこと; を特徴とする。

 

とイロイロな出願が確認できました。ぬいぐるみを掴む把持装置(アーム)関連の特許など様々な工夫がなされているんですね。

 

■セガのUFOキャッチャー・基本特許

 

UFOキャッチャーの登録商標はセガがおさえているということは、UFOキャッチャー・クレーンゲームに関する基本特許もセガがおさえているのではないか?と考えまして、セガの広告・登録特許を調べてみました。

 

公報テキスト検索で

 

  • 公報種別:特許公報 (公告、特許)
  • 出願人・権利者:セガ
  • FI:A63F9/00,507C A63F9/30,502C

 

で検索すると15件ヒットしました(2007年1月14日現在)。

 

  1. 特公平07-112513 景品掴み取りゲーム機
  2. 特許3838254 景品取得ゲーム装置
  3. 特許3428110 景品獲得ゲーム装置
  4. 特許3421874 景品取得遊戯機
  5. 特許3404774 景品把み取りゲーム装置
  6. 特許3401872 景品獲得ゲーム装置
  7. 特許3355714 景品取得ゲーム装置
  8. 特許3146170 プライズゲームマシン
  9. 特許3036503 クレーンゲーム装置
  10. 特許3006569 景品取得ゲーム装置
  11. 特許2970634 クレーンゲーム装置
  12. 特許2836473 プライズゲームマシン
  13. 特許2797927 景品取得ゲーム装置
  14. 特許2775098 景品取得ゲーム装置
  15. 特許2616632 景品取得ゲーム機

 

この15件の中で私が着目したのは特許2775098 景品取得ゲーム装置です。

 

何といっても特許請求の範囲の第1項が非常に広範囲をカバーするように書かれています。

 

Ufo04【発明の名称】景品取得ゲーム装置
【出願番号】特願平8-324863
【出願変更の表示】実願平5-72956の変更
【出願日】平成5年(1993)12月20日
【公開番号】特開平9-164264
【公開日】平成9年(1997)6月24日
【審査請求日】平成8年(1996)11月21日
【特許番号】第2775098号
【登録日】平成10年(1998)5月1日
【発行日】平成10年(1998)7月9日
【特許権者】株式会社セガ・エンタープライゼス
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筐体内の景品をプレイヤーの操作で選択して所定位置に移動する移動手段と、前記所定位置に移動された景品を特別に展示する展示手段と、前記展示手段により展示された景品を外部に排出する排出手段とを備えたことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項2】 前記展示手段により展示された景品を照明する照明手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項3】 前記所定位置に景品が移動したことを検知する検知手段を備え、同検知手段の景品の検知により前記照明手段を駆動して照明することを特徴とする請求項2記載の景品所得ゲーム装置。
【請求項4】 前記展示手段が景品投入部とその底面に設けられた開閉弁とからなることを特徴とする請求項1記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】 前記移動手段は、吊り下げられた掴持爪が景品を掴み取るクレーン装置であることを特徴とする請求項1記載の景品取得ゲーム装置。

 

この請求項1の文言では、かなり広範囲のゲーム機がカバーされるのではないかと思います(この特許がUFOキャッチャー・クレーンゲームの基本特許ではないかと思いますが、あくまでも私の勝手な判断であることをご了解下さい)。