e-patent > コラム > ニュースな特許 > テクノロジーベンチャー企業の特許2:SOLYNDRA(ソリンドラ)

日経新聞の国際面に「アメリカ産業創造戦略」という2回連載シリーズがあり、そこで以下のようなアメリカのテクノロジーベンチャー企業について紹介されていました。

 

ブルームエナジー
ソリンドラ
フィスカー・オートモーティブ
A123システムズ
ニューロスカイ

 

前回はブルームエナジーについて取り上げました。今回も前回同様、DEPATIS(ドイツ特許庁のデータベース)を使って分析しました。

 

第2回は太陽電池ベンチャーのソリンドラ(SOLYNDRA)を取り上げます。

 

太陽電池といえば日本!のようなイメージがありましたが、数年前の補助金カットを機に一気にドイツQ-Cellsや中国サンテックなどにシェアを奪われてしまいました。今回取り上げるソリンドラは太陽電池の中でも、普及しているシリコンを利用するタイプではなく、CIGS型という化合物タイプの薄膜太陽電池を手掛けています。日本でも昭和シェル石油やホンダが手掛けているのが化合物型です。

 

さてソリンドラの特許件数推移は以下のようになっています。

 

Soryndra1

 

ソリンドラの設立は2005年。設立から2年後、2007年から特許発行が確認できます。

 

なおソリンドラの最も早い出願は創設者でありCEOのDr.Chris Gronet氏の特許(US7196262B2:Bifacial elongated solar cell devices)です。

 

次に、どのような国へ特許出願しているか見てみましょう。

 

Soryndra2

 

前回のブルーム・エナジー同様、米国のベンチャー企業でありながら、WO特許(PCT出願)の件数も非常に多いことが見てとれます。最初から全世界での主要国における権利化を念頭に置いていると考えてよさそうです。

 

日本人として悲しいのは、おそらくPCT経由で中国へは6件出願しているのに、日本へは1件もないことです。既にアメリカの新興ベンチャー企業から見ても日本市場というのはオイシクない市場になっているのでしょうか・・・・

 

最後に筆頭IPCメイングループから、どのような分野の特許出願を行っているか見てみます。

 

Soryndra3_2

 

ソリンドラは太陽電池ベンチャーなので、当然太陽電池関連の特許分類であるH01L31が最も多く、その他太陽電池関連分類であるH01L21やH01L27が多く付与されています。またH01R9というのは「相互絶縁されている多数の電気接続部材,例.端子片,端子ブロツク,の構造的な集合体;基台上またはケ-ス内に取り付けられた端子または締め付け端子柱;そのための基台」というもので、太陽電池の接続構造に関する特許分類です。

 

現在、オバマ政権下でグリーンニューディール政策の名のもとに、グリーンベンチャーへかなりの金額が投資されています。ソリンドラも昨年政府から約500億円の融資獲得に成功しました。また現在株式市場への上場申請中とのことで、新規上場となるとまたグリーンベンチャーの大物ということで注目を集めそうです。