e-patent > コラム > ニュースな特許 > トヨタ・プリウス特許訴訟関連特許(ペイス社)

つい先日、トヨタのハイブリッド自動車「プリウス」関連特許訴訟のニュースが流れました。

 

[情報源:IP NEXT]

 

 

記事によれば、原告はアメリカのペイス社(Paice LLC)

 

Patent Prospectorの記事によれば、問題となっている特許は以下の3件。

 

 

発明者になっているのはペイス社の現在の名誉会長(Chairman Emeritus)であり、ペイス社の創業者・兼・ペイスハイブリッドシステムの発明者です。

 

実は上記3件のうち、一番最初の出願である「US5343970: Hybrid electric vehicle」は非常に広い上手にクレームを書いていると思います。

 

まずはこの特許3件のパテントファミリーをespacenetで調べてみました。

 

[US5343970]

  • US5343970 A  – 1994-09-06
  • WO9601193 A1 – 1996-01-18

 

[US6209672]

  • AT283179T T  – 2004-12-15
  • AU6019299 A  – 2000-04-03
  • AU2002307045 A1 – 2002-10-15
  • BR9913684 A  – 2001-11-27
  • CA2343056 A1 – 2000-03-23
  • CA2343056 C  – 2007-01-09
  • CA2556195 A1 – 2000-03-23
  • DE69922221D D1 – 2004-12-30
  • DE69922221T T2 – 2006-03-02
  • DE69922221T T8 – 2006-08-24
  • EP1113943 A2 – 2001-07-11
  • EP1113943 A4 – 2002-12-04
  • EP1113943 B1 – 2004-11-24
  • EP1522450 A2 – 2005-04-13
  • EP1522450 A3 – 2005-06-22
  • JP3676235B2 B2 – 2005-07-27
  • JP2002525022T T  – 2002-08-06
  • JP3779676B2 B2 – 2006-05-31
  • JP2004007944 A  – 2004-01-08
  • JP2006044649 A  – 2006-02-16
  • MXPA01002685 A  – 2002-04-08
  • US6209672 B1 – 2001-04-03
  • US6338391 B1 – 2002-01-15
  • US6554088 B2 – 2003-04-29
  • US2001039230 A1 – 2001-11-08
  • US7104347 B2 – 2006-09-12
  • US2003217876 A1 – 2003-11-27
  • US7237634 B2 – 2007-07-03
  • US2006100057 A1 – 2006-05-11
  • US2006231304 A1 – 2006-10-19
  • US2006231305 A1 – 2006-10-19
  • US2006231306 A1 – 2006-10-19
  • US2006237246 A1 – 2006-10-26
  • US2006237247 A1 – 2006-10-26
  • WO0015455 A2 – 2000-03-23
  • WO0015455 A3 – 2000-06-08
  • WO02078987 A2 – 2002-10-10
  • WO02078987 A3 – 2003-11-27
  • WO02078987 B1 – 2003-12-31

 

[US6554088]

  • AT283179T T  – 2004-12-15
  • AU6019299 A  – 2000-04-03
  • AU2002307045 A1 – 2002-10-15
  • BR9913684 A  – 2001-11-27
  • CA2343056 A1 – 2000-03-23
  • CA2343056 C  – 2007-01-09
  • CA2556195 A1 – 2000-03-23
  • DE69922221D D1 – 2004-12-30
  • DE69922221T T2 – 2006-03-02
  • DE69922221T T8 – 2006-08-24
  • EP1113943 A2 – 2001-07-11
  • EP1113943 A4 – 2002-12-04
  • EP1113943 B1 – 2004-11-24
  • EP1522450 A2 – 2005-04-13
  • EP1522450 A3 – 2005-06-22
  • JP3676235B2 B2 – 2005-07-27
  • JP2002525022T T  – 2002-08-06
  • JP3779676B2 B2 – 2006-05-31
  • JP2004007944 A  – 2004-01-08
  • JP2006044649 A  – 2006-02-16
  • MXPA01002685 A  – 2002-04-08
  • US6209672 B1 – 2001-04-03
  • US6338391 B1 – 2002-01-15
  • US6554088 B2 – 2003-04-29
  • US2001039230 A1 – 2001-11-08
  • US7104347 B2 – 2006-09-12
  • US2003217876 A1 – 2003-11-27
  • US7237634 B2 – 2007-07-03
  • US2006100057 A1 – 2006-05-11
  • US2006231304 A1 – 2006-10-19
  • US2006231305 A1 – 2006-10-19
  • US2006231306 A1 – 2006-10-19
  • US2006237246 A1 – 2006-10-26
  • US2006237247 A1 – 2006-10-26
  • WO0015455 A2 – 2000-03-23
  • WO0015455 A3 – 2000-06-08
  • WO02078987 A2 – 2002-10-10
  • WO02078987 A3 – 2003-11-27
  • WO02078987 B1 – 2003-12-31

 

US6209672とUS6554088は1つのパテントファミリーを形成しています。そしてこの2件については対応日本特許が存在し、登録まで至っているもの特許が2件あります。

 

US5343970については対応日本出願がありません。このようなとき、日本語で内容を読みたい場合どうすれば良いのか?

 

それには日本の特許電子図書館IPDLの外国公報DBの「和文抄録」を見てみましょう。

 

文献番号

 

US-A1-5343970

 

と入力し、表示種別をプルダウンメニューから「和文抄録」にします。文献番号紹介を押すと、今回のペイス社のUS5343970の和文抄録を読むことができます(今回はたまたま存在しましたが、和文抄録が存在しないケースもあります)。

 

和文抄録によると、

 

内燃機関のエンジンとACモータを備え、その一方または双方により車輪を駆動するとともに、ACモータを発電機として用いたりエンジンのスタータとして用いることができるハイブリッドエンジンに関する

 

発明で、

 

    1. 低速運転ではACモータのみ
    2. 加速、登坂運転では、エンジンとACモータの双方
    3. ハイウェイのような安定的運転ではエンジンのみ

 

でエンジン・ACモータを使い分けます。US5343970の第一クレームの記載は、ほとんど上に書いたようなことで、非常に上位概念を抑えています。トヨタのTHS-IIのページを見てみると、非常に類似したことが書いてあります(もちろん、詳細に検討しているわけはありません・・・)。

 

ちなみに、日本で登録となっている2件の特許ですが、以下のようなクレームです。

 

特許3676235
【請求項1】
車両の運転パラメータを示す入力を受け取って制御プログラムに応じて制御信号を与えることのできる制御装置と、
電池バンクと、
内燃機関と、
(a)前記電池バンクから電気エネルギーを受け取り、(b)前記電池バンクに電気エネルギーを供給するために、前記電池バンクに電気的に連結されている第一の電動モータであり、この第一の電動モータは前記内燃機関に機械的に連結されており、前記内燃機関と前記第一の電動モータとの組合せはこの組合せと前記車両の走行用車輪との間の制御可能なトルク伝達接続のために前記制御装置によって制御されるクラッチに機械的に連結されており、(1)前記電池バンクを充電するために前記内燃機関からトルクを受け取り、(2)前記内燃機関にトルクを供給してこの内燃機関を始動させるために前記電池バンクからエネルギーを受け取り、(3)前記走行用車輪にトルクを供給して前記車両を推進させるために前記電池バンクからエネルギーを受け取り、(4)前記電池バンクを充電するために前記走行用車輪からトルクを受け取る様に、前記第一の電動モータが制御され得る様に、この第一の電動モータは前記制御装置からの命令に応答する、前記第一の電動モータと、
(a)前記電池バンクから電気エネルギーを受け取り、(b)前記電池バンクに電気エネルギーを供給するために、制御され得る様に、前記電池バンクに電気的に連結されている第二の電動モータであり、(1)前記走行用車輪にトルクを供給して前記車両を推進させるために前記電池バンクからエネルギーを受け取り、(2)前記電池バンクを充電するために前記走行用車輪からトルクを受け取る様に、前記第二の電動モータを制御するために、この第二の電動モータは前記車両の走行用車輪に機械的に連結されていて前記制御装置からの命令に応答する、前記第二の電動モータと
を具備するハイブリッド車両において、
前記制御装置は、前記車両の瞬間トルク要求であり、一定状態の巡航または加速中等は正で回生制動中等は負であり得る、走行負荷を表す第一の信号と、前記電池バンクの充電状態を表す第二の信号とを与えられ、前記第一及び第二の信号に応じて複数の運転モードで前記車両が運転される様に、且つ、前記走行負荷に等しい量のトルク及び/または前記第一及び第二の電動モータの一方または両方を介して前記電池バンクを充電するために必要とされる量の追加トルクを発生させるために前記複数の運転モードのうちのある運転モードで前記内燃機関が動かされる様に、前記内燃機関、前記第一及び第二の電動モータ、並びに前記クラッチを制御し、前記内燃機関が動かされるときは、この内燃機関によって発生される前記トルクが効率的に発生される最小値以上に維持され、前記走行負荷(RL)が前記内燃機関の最高トルク出力(MTO)の百分率として表現され、前記複数の運転モードが
SPがMTOの既定の百分率として表現されている設定値であり且つSPが実質的にMTO未満であるとして、RL<SPの間、前記電池バンクから供給されるエネルギーに応じて前記第二の電動モータによって供給されるトルクによって前記車両が推進される低走行負荷モードIと、
SP<RL<MTOの100%の間、可燃性燃料の供給に応じて前記内燃機関によって供給されるトルクによって前記車両が推進される中走行負荷モードIVと、
RL>MTOの100%の間、可燃性燃料の供給に応じて前記内燃機関によって供給されるトルクと前記電池バンクから供給されるエネルギーに応じて前記第二の電動モータによって供給されるトルクとによって前記車両が推進される高走行負荷モードVと
を含むことを特徴とするハイブリッド車両。

 

特許3779676
【請求項1】
複数の異なるモードで運転可能なハイブリッド車両であって、最高トルク出力(MTO)までトルクを供給するための内燃機関と、前記車両の走行用車輪に連結されている少なくとも一つの電動モータと(この少なくとも一つの電動モータは発電機として作動可能である)、前記電動モータに電気エネルギーを供給し且つ前記電動モータからエネルギーを受け取るための電池バンクと、前記内燃機関と前記少なくとも一つの電動モータとの作動を制御し且つ前記電動モータと前記電池バンクとの間の電気エネルギーの流れを制御するための制御装置と、前記電動モータと前記電池バンクとの間に接続されている少なくとも一つの制御可能なインバータ/充電器と(前記電池バンクからのエネルギーに応じて前記走行用車輪に推進トルクを供給する様に前記電動モータを動かし且つ前記走行用車輪から前記電動モータへ伝達されるトルクを前記電池バンクを再充電するためのエネルギーに変換するための前記制御装置からの命令に応じて制御可能に切り換えられる複数対の要素を前記制御可能なインバータ/充電器が具備している)、を具備するハイブリッド車両において、
多数の電池とこれら多数の電池を個々に接続している普通は開いている多数の開閉装置とを前記ハイブリッド車両が備えており、普通は開いている前記開閉装置によって直列に接続されている前記多数の個々の電池として前記電池バンクが形成されており、
前記開閉装置に電力が供給されておらずこれらの開閉装置によって前記電池同士の間の接続が開かれている場合には前記多数の個々の電池が互いに電気的に絶縁されていることを特徴とするハイブリッド車両。

 

以前、このブログでも取り上げた【ニュースな特許】トヨタを特許侵害で提訴した米ソロモン社のハイブリッド車駆動技術関連特許ですが、こちらについてはトヨタの非侵害という判断ができました(The Patent Prospectorの記事より)。

 

しかし、今回のペイス社の特許訴訟では特許侵害となり、賠償金の支払いを命じられました。

 

今後のトヨタのハイブリッド車の世界販売戦略へどのような影を落とすのでしょうか・・・