e-patent > コラム > ニュースな特許 > マツダのアルミと鉄の接合技術(世界初)

職業柄いろいろな業界のメールマガジンを読んでいるのですが、今日読んで自動車系ニュースのメールマガジンで、

 

マツダ、世界初となる摩擦熱を利用した鉄とアルミ材の点接合技術を開発

 

 

という記事が目に留まりました。

 

何で目に留まったかというと、この記事の中に

 

マツダでは、現在この技術に関連し20件以上の特許を申請中である

 

と書いてあったからです。書いてあったからには、どんな特許か調べてみようと思いまして、特許庁電子図書館の公報テキスト検索で、まずは

 

・出願人/権利者  マツダ

・要約+請求の範囲 アルミ AND 鉄 AND 接合

 

で調べたところ、18件の特許がヒットしました。マツダのアルミと鉄の新しい接合技術の特徴は、摩擦熱を利用してアルミと鉄を接合する、というもの(従来は大電流を流して材料の抵抗で生じる熱で材料を溶かして接合していた)。電流を流さずに摩擦熱だけで接合する、というものをターゲットにして18件を見ていくと、特開2002-066759″金属の接合方法及び接合装置”がヒットしました。

 

mazda20050603_2

 

【公開番号】
特開2002-066759
【発明の名称】
金属の接合方法及び接合装置
【要約】
【課題】高い接合 強度を得る。
【解決手段】第1及び第2金属部材W1、W2を合金材料としてのZn-5Al層又はZn溶融メッキ層Wcを介して重ね合わせ、第1金属部材W1における第2金属部材W2との接合 部分Pに相当する表面部位に回転工具1を押圧していくと、アルミ ニウム合金が摩擦により撹拌されて塑性流動を開始する。塑性流動が促進されると、アルミ ニウム合金表面の酸化被膜が破壊されて、Zn-5Al層又はZn溶融メッキ層Wcとアルミ ニウム合金とが相互に拡散してAl,Al-Zn,Zn-Al,Fe-Zn,Feとからなる拡散層を形成し、更に塑性流動が促進されてAl-Zn-Fe合金層となってアルミ ニウム合金板W1と鋼板W2とが接合 される。

 

マツダのニュースによれば、鉄側に亜鉛メッキ鋼板を使用する、と書いてあるので、この特開2002-066759は今回発表されたニュースの関連特許だと思います。

 

ただ出願日が2000年8月31日と5年も前なので、もう少し最近の特許もあるだろうと考え、この特開2002-066759に付与されているIPC B23K20/12,310を利用して、再度検索をしてみました。

 

・出願人/権利者  マツダ
・要約+請求の範囲  アルミ OR Al OR 鉄 OR Fe
・IPC           B23K20/12

 

これで検索したら2件がヒット。うち2005年2月に公開された下記の公報が、マツダのニュースに書かれている技術内容に最も近いと思います。

 

mazda20050603
【公開番号】
特開2005-034879
【発明の名称】
摩擦接合方法および摩擦接合構造
【要約】
【課題】 重ねられた異種の金属部材同士の接合強度を向上させることができる摩擦接合方法を提供する。
【解決手段】 アルミ ニウム板W1と鋼板W2とを重ね、そのアルミ ニウム板W1に回転ツール4を当接させて、そのアルミ ニウム板W1と鋼板W2とに対して、加圧力と回転ツール4の加圧軸心を中心とした回転力とを付与することを前提とする。この鋼板W2表面には、予め、酸化膜の発生を防止すべく亜鉛めっき層15が形成されており、接合の際には、回転ツール4の加圧力、その回転ツール4の回転に基づく摩擦熱、塑性流動を作用させて、アルミ ニウム板W1の酸化膜を破壊すると共に、亜鉛めっき層15を接合面の周囲に押出し、鋼板W2の新生面とアルミ ニウム板W1の新生面とを直接、接触させる。

 

マツダのニュースでは

 

マツダでは、現在この技術に関連し20件以上の特許を申請中である

 

とありましたが、管理人がサッと検索してみたところでは、上記の2件ぐらいしか目ぼしいものがありませんでした。今後次々と公開されていくと思います。

 

これまで身近な特許というコーナーで、身の回りの製品の中に隠れている特許を紹介してきましたが、これとは別に今回のようにニュースで取り上げられている特許を紹介していくニュースな特許というコーナーも新設しました。

 

先日IomegaのDVD関連特許を身近な特許コーナーで紹介しましたが、ニュースな特許コーナーを新設しましたので、このIomegaの記事もニュースな特許コーナーへ移動しました。