e-patent > コラム > 身近な特許・意匠 > シャープのヘルシオ-高温の水蒸気で加熱するオーブン-

作成 : 2006.03.20

 

高温の水蒸気で加熱するオーブンとして有名なシャープのヘルシオ

 

 

 

 

産学官連携ジャーナル2月号の特集で、

 

 

『ヒット商品を生んだ産学連携』
【対談】「水で焼く」健康調理 ヘルシオの産学連携

 

 

という記事がありました。シャープの井上隆氏と大阪府立大学の宮武和孝教授の対談となっています。

 

 

記事を読むと、大阪府立大学の大西忠一助教授(現在NPO法人グリーン環境技術工業会)の3名が主となって、ヘルシオの研究開発を進めていたようです。

 

 

そこでヘルシオの基本特許を調べるために、特許電子図書館公報テキスト検索で、発明者を井上隆 and 宮武和孝 and 大西忠一で検索すると3件ヒットしました。

 

 

特開2005-185157 分離方法および分離機
特開2005-211012 食品加工方法および食品加工装置
特開2005-245210 食品の加熱方法および食品の加熱器

 

 

今日は身近な特許としてこの3件のヘルシオ関連特許を紹介します。

 

 

■特開2005-185157 分離方法および分離機

12005185157【公開番号】特開2005-185157
【公開日】平成17年7月14日
【発明の名称】分離方法および分離機
【出願番号】特願2003-430059
【出願日】平成15年12月25日
【出願人】シャープ株式会社
【要約】
【課題】 水などの安全な溶媒を高温ガスの形で使用し、凝縮伝熱と凝縮液により、食品などの多成分物質を効率よく加熱するとともに食品から余分な油脂分および塩分を、適量にかつ簡単に取り除く方法を提供する。
【解決手段】 本発明の分離方法は、多成分物質を加熱し、成分を分離する方法であって、100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多成分物質を加熱し、成分を分離する方法であって、
100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、
多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に前記気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離することを特徴とする分離方法。

 

 

 

■特開2005-211012 食品加工方法および食品加工装置

22005211012【公開番号】特開2005-211012
【公開日】平成17年8月11日
【発明の名称】食品加工方法および食品加工装置
【出願番号】特願2004-24092
【出願日】平成16年1月30日
【出願人】シャープ株式会社
【要約】
【課題】 複雑な前処理などを必要とせず、食品を水の凝縮伝熱により加熱すると共に、食品表面に凝縮水を連続的に付着させて食品表面に凝縮水を連続的に付着させることにより当該食品周囲の雰囲気の酸素濃度を大気中に酸素濃度以下にして、当該食品内成分の酸化を少なくした食品加工方法およびその食品加工器を提供する。
【解決手段】 食品に過熱水蒸気を曝して該食品表面に凝縮水を連続的に付着させることにより、該食品を水の凝縮伝熱により加熱すると共に、前記食品周囲の雰囲気の酸素濃度を大気中の酸素濃度以下にして、該食品内の成分の酸化を低減することを特徴とする、食品加工方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品に過熱水蒸気を曝して該食品表面に凝縮水を連続的に付着させることにより、該食品を水の凝縮伝熱により加熱すると共に、前記食品周囲の雰囲気の酸素濃度を大気中の酸素濃度未満にして、該食品内の成分の酸化を低減することを特徴とする、食品加工方法。

 

 

 

■特開2005-245210 食品の加熱方法および食品の加熱器

32005245210【公開番号】特開2005-245210
【公開日】平成17年9月15日
【発明の名称】食品の加熱方法および食品の加熱器
【出願番号】特願2004-56054
【出願日】平成16年3月1日
【出願人】シャープ株式会社【要約】
【課題】 食品内部の組織が破壊されにくく高品位の調理を容易にすることができる食品の加熱方法および食品の加熱器を提供する。
【解決手段】 食品90を過熱水蒸気100を含む雰囲気下に曝して食品90の表面に過熱水蒸気100が接触して生じた凝縮熱により食品90を加熱する過程と、食品90の表面から水分を除去する過程と、を含む食品の加熱方法であって、食品90の成分の加熱変性時に食品90の内部の水分量を減少させない食品の加熱方法とこの方法を実施する食品の加熱器である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を過熱水蒸気を含む雰囲気下に曝して前記食品の表面に過熱水蒸気が接触して生じた凝縮熱により前記食品を加熱する過程と、前記食品の表面から水分を除去する過程と、を含む食品の加熱方法であって、前記食品の成分の加熱変性時に前記食品の内部の水分量を減少させないことを特徴とする、食品の加熱方法。

 

 

 

3件とも食品の加工方法というところが発明のポイントです。いかに食品から余分な油や塩分を取り除くかという特許になっています。実際のオーブンとしての特許はシャープ単独で出願していると思われます。

 

 

ちなみにヘルシオは平成17年度産学官連携功労者表彰で、日本経済団体連合会会長賞を受賞しています。

 

2006.03.19